風営紳士録2.0

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緊急事態宣言後も風俗営業を継続する皆様へ

緊急事態宣言発令!

 

皆さん、こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

2020年4月7日に緊急事態宣言が発令されました。
対象は、東京・神奈川・埼玉・大阪・兵庫・福岡の7都府県で、5月6日のGWまでの期間は対象エリアの都府県は緊急事態措置が行われることになります。

国家による宣言を受けての各都府県が行っていく緊急事態措置の内容の詳細については、東京都の場合は4/10に発表し、11日に実施するとのことです。

今回は安倍首相が緊急事態宣言を行った後に実施した会見の場で、ジャーナリストの江川紹子さんとのやりとりが風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業の皆様に関わる内容でしたのでご紹介します。

会見の場でのやりとりはこちらの動画(質疑部分から再生)でご確認ください。

質問は大きく2つありました。

Q1.中小企業向け200万円、個人事業主向け100万円の給付金の審査基準は?
Q2.ナイトクラブなどへの警察の取り締まりは?

安倍首相の回答を大まかにまとめると以下の通りとなります。

A1.前年同月比での月収が50%以下に減っていること
A2.警察の取締りはしないが、要請としてお願いすることはあるかも

 

 

給付金申請の相談窓口

 

単月での売上収入で判断して良いとのことですので、緊急事態宣言後の4月の売り上げベースで計算すれば、かなりの確度で給付を受けることが可能になるかと思います。

具体的な手続きなど、給付に関する詳細は、商工会議所に問い合わせしてみてください。

【問い合わせ先】
中小企業 金融給付金相談窓口
0570-783183
平日・休日 9:00 – 17:00

 

なお、私も含めて専門家経由で申請すると受領金額から専門家への報酬分が差し引かれます。

採択率の低い補助金や風俗営業許可、税務・決算申告などと異なり、本人申請と専門家経由での結果に大差なく、また政府もなるべく簡便な申請・給付を目指す制度設計を明言していたので、少しでも多く給付金を確保したい方はご自身で申請することをお勧めします。

逆に、専門家を通じて申請を希望される方は、専門家への対価としての相談料や報酬の発生の面でご理解ををお願いします。公金に支えられている公的機関の専門家と異なり、一般の専門家も状況は同じだと思いますので。

 

警察取締り強化の可能性

 

一方、警察の取締りの方は少し気になりました。

安倍首相の回答は「(措置法にもとづく)罰則がないので取締りはない」との回答でしたが、江川さんの質問は「(風営法違反などでの別件逮捕も含めた)取締りが行われるのではないか?」との意図であったように感じたからです。

質問者である江川紹子さんはオウム真理教事件の報道で有名で、事件当時にオウム信者に行われた別件逮捕を報道したジャーナリストの一人です。

ちなみに、江川さんが言及していた千葉市長のツイートはこちらです。

これに対して、あいちトリエンナーレで話題となった芸術監督の津田大介さんが噛みつきました。

やりとりは千葉市に関することですが、東京でも同様のことが起こりえます。

ここからは、あくまで私個人の見解であり、いたずらに不安を煽る意図はありません。

ただ、30年近く風俗営業業界に身を置いてきた端くれのドタ勘としての本音です。

これから東京でも間違いなく警察は取締りを強化するはずです

もちろん、別件逮捕という意味ではなく、あくまで風営法はじめ行政法令違反による取締りという意味です。

もっと有体に分かりやすく表現すると、平常時には黙認されていた違反に対しても、緊急事態措置期間には容赦なく取締りが行われる可能性が高い、ということです。

安倍首相が回答した取締りというのは、あくまでコロナ対策に対する「措置法」にもとづく警察取締りが行われないということです。

というより、そもそも「措置法」には取締りや罰則規定がなく、あくまで要請・指示・公表しかあり得ません。総理大臣だろうが、これをひっくり返すことは法律による行政の原則に反するので出来ません。

ただ、風営法はじめ各種法令に違反していることは、緊急事態宣言の有無とは関係なく取締ることが出来ます。

従って、千葉市長のツイート内容は風営法などに違反しているナイトクラブの取締りを強化しますと述べているだけで、コロナ対策という意味ではないですよという言い分です。

ただ、感染予防の政策判断でこのタイミングで実施することは市長自身も明言しています。

本ブログでは、たびたび風営法違反絡みの警察取締りを取り上げて来ましたが、行政警察活動が政策的見地から行われてきたことをしつこくお伝えしてきたと思います。

 

 

営業を継続する皆様へ

 

そこで、緊急事態宣言後にも営業を継続する事業者の皆様にメッセージです。

全国レベルでこれだけ3密産業への警鐘が鳴らされた以上、名指しされた①風営法1号接待飲食店・②深夜酒類提供飲食店・③特定遊興飲食店営業の3業態については営業継続しているかどうかを行政が調査して回ると思います。

また、所轄警察は許可・届出なしのモグリ風俗店も詳細に把握していますから、こちらも営業の有無を確認するはずです。チャイニーズエステやメンズエステなどのライト性風俗も対象になるでしょう。

 

もちろん、あくまで要請ですから正規に営業許可を取っている風俗営業事業者が営業継続することは法律上問題はありません。

ただ、営業許可のない店舗、特に【営業禁止区域】での営業は覚悟していてください。

また、営業許可を取っていても、【時間外営業、照度、内装・店舗構造、従業員名簿】などで違反状態がある場合は早急に原状回復させてください。

もちろん、感染予防対策を万全に行うことは大前提ですが、警察がこの緊急事態宣言期間中に来るということはそういう事ですから、どこを突っ込まれても良いようにクリーンな状態にしておかなければなりません

もっとも、この状況下で営業を継続する店舗関係者の中には、名ばかりの持ってかれ屋の代表で、表には出てこない実質的経営者であるオーナートップから命じられて仕方なく営業を強行せざる得ない立場の方もいらっしゃると思います。

実は、まったく同じ立場なのがこの時期に取締りを行う警察組織です。
警察組織も完全に縦社会です。

普段は所轄生活安全課の担当者への誓約書提出で済んでいたはずの違反行為でも、上からヤレと言われれば徹底してやらざる得ないのはどちらも同じです。

風営法違反でも「悪質性」が認められれば刑事罰の対象にもなってきます。

 

何とも言いえて妙ですね(笑)

ただ、これだけでなく警察と筋モノが共通している点がもう一つあります。

それは、「メンツを潰された相手はとことんまで追い込みをかけること」です。

行政警察がトップダウンで政策的に取締りを行うときは徹底して行います

石原都政時代の歌舞伎町浄化作戦は有名ですが、六本木ヒルズが完成する際の六本木での取締りも徹底していました。

海老蔵事件朝青龍事件、半グレ抗争によるフラワー事件など、メディアが大きく取り上げて国民の注目が集まった後は、大々的に取締りを行ってきました。

今回の緊急事態宣言下での自粛要請の必要性がこれまでの社会事件での注目度の比較にならない大きさであることは説明するまでもありません。

トラブルを未然に防ぐ予防法務の行政書士とはいえ、憶測で自由にお伝えしましたが、どうか慎重にご判断ください

皆様それぞれの立場で暗い闇の中を進む不安に駆られていると思いますが、必ず道は拓けてきます。

 

 

孤独のメッセージ

 

最後に、会見で安倍首相が語っていた希望にかける想いに触れさせてください。

不安感に駆られ、誰もがヒステリックになり、フェイクニュースなどが出回っている現状に対して、SNSの役割に関して問われた安倍首相のコメントです。

「SNSは人と人との連帯感を高め、不安を和らげるツールだ」
「辛く困難な日々の中で、私たちに希望をもたらしたもの、それは人と人との絆」
「みんなで共に力を合わせれば、再び希望をもって前に進んでいくことができる」

平時なら青臭く感じてしまうコメントかも知れませんが、今のような困難に直面している瞬間だからこそ非常に心に響きました。

四谷アウトブレイク佐藤さんの投瓶通信 “Message In A Bottle”も、SNSによってインターネットの大海原を超えて全国に届いています。

皆さんで連帯して、希望をもって前に進んで行きましょう!

それでは、また!

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