コンビニ休憩所のお一人様ニーズの本質とは
コンビニランチの禁止
こんにちは
東京都新宿区の風俗営業専門
やたべ行政書士事務所です
三連休を迎える週末
いかがお過ごしでしょうか?
連休にはご家族でお出かけという方もいれば
一人で過ごすという方もいらっしゃると思います
実は、現代は休日の行楽に限らずに
平日でも朝・昼・晩と全日一人で食事する
「孤食」人口割合が15%にも及ぶそうです
そう言えば、近頃の昼時のコンビニはどこも
購入したお弁当を食べるお一人様で溢れています
ただ、こうしたお一人様でのランチタイムが
コンビニから無くなるとの報道がありました
コンビニでの飲食が禁止されるというものです
コンビニレポ画像より
軽減税率と引き換えに
報道の内容というのは来年2019年に導入される
軽減税率制度に関わるものです
2019年10月から消費増税が決定していますが
負担軽減のために消費税率を8%に据え置く
制度が財務省で検討されています
軽減税率の対象となれば8%据え置きとなり
コンビニの飲食料品がその対象となるかが
議論されてきました
風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業で
提供される酒類や外食などは対象外となります
コンビニの外食化
近年、コンビニ業界は「中食」と謳うくらい
「外食」を意識した商品開発を行ってきました
購入したお弁当やお茶を楽しめるような
休憩所の提供もその一環です
店舗面積あたりの売上を指標とする小売業では
本来はデッドスペースを一番嫌うはずです
ただ、大手コンビニチェーンにとって
現在の競合はスーパーよりも外食店なのです
食べ終わったら直ぐに退店を促される
ファストフードスタイルのお店に行くより
お茶しながら食後の一服やスマホいじりを
楽しめるコンビニの方が選ばれる時代です
空間効率を下げてでも休憩所を設置した方が
売上につながると判断したのかも知れません
特にランチタイムでのお一人様には
コンビニ休憩所はかなり人気です
そもそも外食産業のサービス設計の基本は
お一人様向けには出来ていません
カウンターなどが無い外食店では
最低2名以上で利用することを前提に
テーブル席数も計算されています
また、混雑する店内にお一人様での来店は
お客さんの方でも敬遠する傾向にあります
そんな中でコンビニの休憩所は
堂々とお一人様で利用できる空間として
一般の外食店とは異なる差別化となりました
今回、軽減税率の恩恵を受ける上で
休憩所での飲食を認めてしまうと
外食と線引きが機能しなくなることから
休憩所に「飲食禁止」と明示させて
飲食できないようにすることを条件とするとの
方針を財務省が固めたとのことです
お一人様ニーズの本質
ところでコンビニの休憩所を利用するお一人様は
コンビニ弁当を食べることだけが目的でしょうか
お一人様の顧客ニーズの本質は
実はもっと深いところにあるように思います
それは「放っておいてもらえる」という
精神的ニーズではないかと考えています
皆さんは『孤独のグルメ』をご存知ですか?
孤独のグルメHPより
中年男性が仕事の合間に出先で食事を楽しむ
ただ、それだけを描写する作品ですが
特にドラマは非常に好評となっています
この作品でもそうですが
孤食を楽しめるお店は顧客との距離感が
何とも絶妙なバランスを取っています
「チキンカツ定食」
「780円です」
店内で交わされる言葉がこれだけでも
顧客ニーズが満たされるのは
料理の味や店の雰囲気だけでなく
余計な会話や気遣いを強いられない
「放っておいてもらえる」ニーズを
捉えているからではないでしょうか
「放っておいてもらえる」ニーズを
同じように捉えたサービスとして
ファストカットサービスのQBハウスもあります
10分・1,000円のカットサービスです
(来年1,200円に値上げ予定とのこと)
QBハウスのリピーターには
時間や価格といったニーズ以上に
「放っておいてもらえる」ところを
評価する方が多いとききます
日曜の午後に2時間も拘束されて
仕事や家族の近況報告するのが苦痛
そのようなニーズを探り当て
ウォンツとしてサービス化することで
成功させた事例でしょう
コンビニで飲食しているお一人様も
実はこれと同じような構造ではないでしょうか
昭和な上司から「おい昼飯行くぞ!」と誘われる
これが一番ストレスという人も少なくありません
本質的ニーズを射抜く
マーケティングではウォンツとニーズが
使い分けられています
ウォンツは表面的な欲求であるのに対し
ニーズはより本質的な欲求であるとされます
女性にとって「美肌」というのは
本質的なニーズとしてあります
そのニーズを満たすものとして
美肌クリームやエステ、美容整形まで
さまざまなウォンツが商品化されています
ウォンツは時代によって変化するとしても
ニーズは普遍的なものであると言われます
通常の外食店と違って一人で来店しても
他のお客さんの目も店員の目は気になりません
良い意味で自分に対して無関心なのです
午後への英気を養う貴重なランチタイムに
「放っておいてもらえる」
お一人様の本質的ニーズを満たす空間として
コンビニの休憩所は最高のウォンツでした
こうした普遍的で本質的ニーズは
ビジネスモデルの根幹を支えています
来年の軽減税率導入後も
コンビニ業界の顧客ニーズ追求は続くでしょうね
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