風営紳士録2.0

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風俗営業が「狙い撃ち」すべき手続的正義

飲食店らの怒りの火柱

 

皆さん、こんにちは!

東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

本日3/23の東京株式市場において、とある銘柄に買い注文が殺到し制限値幅いっぱいのストップ高となりました。

東証2部市場に上場しているグローバルダイニング(証券コード:7625)です。

東京都による改正特措法に基づく要請違反施設として「命令」を受けた27施設中の26施設を運営していたのがグローバルダイニングであったことは先週ご紹介しました。

参考【東京都「夜の街」への時短命令と戦う心構え】

その後、東京都の対応に納得がいかないことから処分の違憲性を争う訴訟に踏み切り、昨日3/22昼に記者会見を行った模様が報道され始めたことで同社の株式も売買が活況となったようです。

長引く時短要請に抑圧された飲食店の怒りが真っ赤に燃え上がって火柱を立てたかのような大陽線となっていました。

グローバルダイニングは3万円前後で買える低位株であることもあって、これまでの国・東京都など行政のコロナ対応に不満を抱いていた層からも買い注文が殺到したようです。

せっかく盛り上がっているのにシラケるようなこと言って申し訳ありませんが、本気でグローバルダイニングを応援したいなら実際のグローバルダイニング店舗でお金を使う方が良いと思います。

グローバルダイニングの株をどんなに買おうが、証券会社が手数料で潤うだけでグローバルダイニングには直接的な財政的メリットはありません。

グローバルダイニングが新規に発行する株式を引き受けるのであれば別ですが、やっていることは市場に流通している株式を市場参加者同士で交換しているだけです。

一方、グローバルダイニングの店舗でお金を消費すれば、ダイレクトにグローバルダイニングの売上となり、同社従業員給与や取引先への支払いの原資となります。

一般的な意味での企業応援として株主となるのと異なり、今回のグローバルダイニングは喫緊の課題としてキャッシュフローを改善しなければならないようですから、ついマジレスしてしまいました。

急落して含み損を抱えるくらいなら躊躇せずに売っ払って、売却益を実店舗での消費に充ててあげた方が本来の意味での応援になると思います。

グローバルダイニングのような低位株の急騰は利ザヤ狙いの短期トレーダーもたくさん入っていますし、仕手化してくれば急落狙いの空売りも入りますから、逃げ遅れないよう十分注意して下さい。

もっとも、こうしてストップ高銘柄となる事によって世間の注目を集めるという点ではグローバルダイニングにとってメリットになっているとも言えます。

訴額104円という公益目的の訴訟であることからも、財政支援されたい方はクラウドファンディングを通じて応援する方法もあります。

 

 

狙い撃ちは憲法違反か

 

「コロナ禍、日本社会の理不尽を問う」訴訟と題された記者会見の内容はこちらのサイトでまとめられていましたのでご参考にしてください。

行政手続きの違法性を問うというよりも、改正特措法の違憲性まで射程を大きく捉えた提訴理由であったことから、司法手続きによる正義の実現だけでなく、世論喚起の側面が強い訴訟と言えます。

違憲性が問題視されたのは、「平等原則」(憲法14条1項)、「表現の自由」(憲法21条1項)、「営業の自由」(憲法22条1項)という日本国憲法で保障された人権です。

なかでも、「平等原則」(憲法14条1項)の理由として要請に応じない2,000店舗のうち、どうしてグローバルダイニングの26店舗が集中して「命令」の対象となったのか、あからさまな「狙い撃ち」であって「すべて国民は、法の下に平等」(憲法14条1項)であることに反するではないか、との主張がなされていました。

会見内容の詳細はこちらの動画で確認いただけます(途中から再生されます)

 

「憲法の基本的人権とか表現の自由の大事さっていうのは、たぶん日本の社会、戦争に負けた後の社会では非常に強いものがあった」

「スピード違反で10人捕まえて、切符を切ったのは1人だけみたいな話が許されていいのか」

長谷川耕造さんのおっしゃることはとても共感できる反面、それは仕方がないでしょと思えてしまう部分もあります。

裁判の行方を見守るとしても、先にひとつだけ強く言わせてください。

「スピード違反で10人捕まえて、切符を切ったのは1人だけみたいな話が許されていいのか」

実際の交通警察もそうですが、風俗営業・生活安全など、行政警察活動はそもそもこうした「狙い撃ち」が大前提の行政活動です。

違反者全てを取り締まって罰則を与えることは行っていませんし、それを目指してもいません。

もし、裁判所がこの点を違憲と判断するのであれば、これまでの風営法違反事例全てで再検証するべきです。

長谷川耕造さんが熱弁をふるっていた不条理がまかり通っているのが風営法許可店での行政処分ということになるからです。

コロナ禍発生以前のコロナウイルスによる飛沫感染の危険性が皆無だった頃から、時間外営業で逮捕・勾留までされた風俗営業事業者もいるのです。

 

 

風俗営業にも平等を

 

緊急事態宣言下での飲食店の時短命令違反が違憲なのに、風俗営業店の時間外営業違反は合憲とするなら、それこそ平等原則に反しないでしょうか。

長谷川耕造さんの熱い思いを支える為、有志の弁護士の方々やクラファンなどのプラットフォームが支援していますが、2016年の風営法改正時にも同じような機運が高まりました。

ただ、この時は改正運動に取り組む中で同じ風俗営業事業者に対して差別意識が強くあることに気付いて問題の根深さを感じた記憶があります。

ダンスクラブの深夜営業を規制していた旧風営法を改正しようと法律家や政治家が動いました。

ただ、「ダンスは文化だ」との世論喚起にそぐわなかった接待飲食店や麻雀店などは仲間に入れて貰えなかったのです。

とある法律家は「性風俗が入ってくると改正運動のイメージが悪くなるから、性風俗関係者は近づけないで」なんて堂々と発言していました。

当時の私としては、ロビー活動である以上は仕方ないのかなと諦めつつも、同一法の許可事業者内での差別意識を目の当たりにして辟易としました。

「あいつとは一緒にされたくない」

「なんで俺だけこんな虐げられるのか」

公共性の高い訴訟や法改正運動であっても、それを支えるドライバーはこうした人間臭い感情だったりします。

オシャレな意識高い系専門家としては、ダンスクラブ・ライブハウスなどの文化的な側面を強調して世論を味方につけたかったのかもしれません。

イメージ戦略としては十分共感していましたが、とある時から一気に興ざめしてしまいました。

オシャレな意識高い系専門家が業界団体のまとめ役として連れてきたのが、フロント企業関係者であり、ロビー先が収賄腹黒政治家だったからです。

風営法改正に尽力された専門家の皆さんの名誉の為に強調しておきますが、決して彼ら専門家が黒かった訳ではありません。

おそらくオシャレな意識高い系専門家の多くは、闇の世界の住人であることを知らずに、こうした輩連中と一緒に活動してしまっただけなのだと思います。

実は「夜遊び」を売りにしている専門家というと、かなり破天荒なイメージをもつかも知れませんが、そうした専門家の殆どは極めて真面目な方が多いと思います。

「夜遊び」といっても、酒・タバコ・女のいずれも嗜まない方々をたくさん知っています。

このように真面目な方々から、私のような不真面目な者まで、多様な人々・価値観を広く惹きつけて止まないのが「夜の街」の魅力ではないでしょうか。

今回のグローバルダイニングの記者会見動画を見ると、長谷川耕造さんは要請に従った事業者を「羊」と表現していました。

自らの信念を貫いて戦う姿勢はカッコ良いと思いますが、自らと違う価値観や異なる立場の意見こそ尊重してあげてください。

多様性を認め合うことこそが長谷川耕造さんが大切にされている表現の自由や民主主義の本質でもあるので。

「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」ヴォルテール

 

 

手続的正義を狙い撃ち

 

でも、実際に裁判所が憲法違反を認めてくれることなんて現実味あるのでしょうか。

実はちょうど先日、法の下の平等を保障した「憲法14条1項に違反すると認める」とした下級審裁判例がありました。

法律上、同性婚を認めないことが、合理的な根拠を欠く差別的取り扱いとして法の下の平等を定める憲法14条に違反する、との判断を札幌地裁が示しました。

本件では同性婚を求める原告の慰謝料請求は棄却していますが、グローバルダイニング同様にお金目当ての訴訟ではない為、実質的な勝訴判決だと評価されています。

このように行政訴訟においては、判決そのものよりも、判決理由中の裁判所の判断こそに意義を見出して戦いに臨むケースもあります。

ただ、これはあくまで訴訟手続きの場で正義を実現するための世論を喚起するという目的があって正当化されるものです。

実は、この判決が下された同一日に東京都新宿区議会で、とある議員提案条例が否決されました。

札幌地裁の判決が報道されたのが3/17午前、新宿区議会で議員提案条例が否決されたのが3/17午後です。

条例案提案側のこれらの議員の先生方は、お二人とも行政書士でもあり、私と同じ新宿支部に所属する仲間でもあります。

特によだかれん議員は、もともと六本木香具和のダンサーをされていて「夜の街」出身の明るくチャーミングな先生です。

行政書士としても真面目に活動されていて、議員になる前は私が講師を務めた「風営法研修」にも参加して最前列で熱心に受講されていました。

残念ながら、今回の条例案は否決されてしまいましたが、自身もLGBTマイノリティとして感情のこもったスピーチをされて心に響きました。

 

札幌地裁は裁判手続きですが、こちらは議会という多数決が支配する手続きです。

司法・立法・行政とそれぞれの立場で様々な考え方が交差しますが、どの機関でも最終的には手続きを通じて結論が導かれます。

小池都知事も、グローバルダイニング提訴に関しては、「特措法に則った手続き」であるとコメントしていました。

当然ながら裁判所も感染対策としての飲食店規制の「科学的根拠」に踏み込むことはないでしょうから、「法的根拠」で争うことになると思います。

主戦場として司法・立法・行政のどれを選択するにしても、戦うからには勝ちを目指さなければなりません。

その為にも、その主戦場のルール・手続きが何かを見極めることが重要です。

風俗営業許可・届出の申請に関するルール・手続きに関しては、是非やたべ行政書士事務所にご相談下さい。

やたべ行政書士事務所が「狙い撃ち」するのは、世論喚起でも、裁判官の心証形成でも、多数派工作でもありません。

許可権者に認めさせ、早く確実に営業を開始して頂くことを「狙い撃ち」します。

やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

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