西村大臣のシグナルから狂気の夏がはじまる
都議選7日後の世界
皆さん、こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。
7月4日の東京都議会議員選挙から1週間が経過しました。
結果は都民ファーストの会が議席数を減らし、都議会自民党が議席数を増やしましたが、事前予想からすると都民ファーストの会は議席減を抑え、自民党は伸び悩みました。
#都議選2021 特設サイトに
昨日7/4の開票結果を反映しました✨https://t.co/zPvQdE5xmZ都議選の振り返り等にご利用ください💪🏻 pic.twitter.com/pRFA69rJyo
— 選挙ドットコム@選挙をもっとオモシロク! (@go2senkyo) July 5, 2021
都議選を意識していた訳ではないのでしょうが、選挙終了直後から東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が急増し、政府は4回目の緊急事態宣言を発令、東京五輪では無観客での開催が決定しました。
都内ではきのうの10日、新たに950人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。
都の担当者は「ワクチン接種がまだで、行動範囲が広い若い世代の感染が特に増えている」として対策の徹底を呼びかけています。感染経路や年代別などの詳細をまとめました。https://t.co/BEE9fR44Id— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) July 11, 2021
昨年2020年の米大統領選挙でのワクチン開発成功報道でも感じましたが、今回の都内での新規感染者急増があと数日早く報道されていたなら、今回の都議選結果も違った結論になっていたのかも知れません。
無観客開催を掲げていた都民ファーストの会や五輪の中止・延期を掲げていた立憲民主党や日本共産党はさらに議席を伸ばしたのではないでしょうか。
いずれにせよ、都議選後の1週間で世の中の流れが大きく変わったように感じます。
ちなみに、やたべ行政書士事務所が所在する新宿選挙区では都議会自民党の幹事長・総務会長なども歴任した実力者でも落選しています。
【ご支援・ご協力頂いた皆様へ】
今回の都議会議員選挙にて、私の力及ばず当選できませんでした。この4年間及び今回の選挙中、多大なるご支援を頂戴した皆様へ深く感謝とお詫びを申し上げます。
また、今回当選をされた127名の方には是非東京都の発展に寄与されますようお願い申し上げます。— 秋田一郎 【新宿区 東京都議会議員 自民党】 (@akita160) July 5, 2021
秋田先生は東京都議会の警察消防委員会委員長も務められていたので、私も風俗営業行政に関する意見交換を含めて行政書士会としてお話しさせて頂いたこともありました。
エンタメ産業の業界関係者もロビー活動を行っていたのでご存知だった方もいらっしゃると思います。
昨夕、J-WAVEナビゲーターの #NazChris さん、 coldfeet の #Watusi さん、ラッパーの #Zeebra さんと二回目の懇談。今回は #小室哲哉 さん、ルナシーの #SUGIZO さんという大御所も加わって二時間近く遣り取り。良い提案があったり胸襟を開いた話もでき、少しづつですが前進。#新宿区 pic.twitter.com/reko12MpmW
— 秋田一郎 【新宿区 東京都議会議員 自民党】 (@akita160) June 15, 2021
文化芸術、ライブ・エンターテイメントに関心を寄せ、一緒に動いてくれる候補者に投票して欲しい。新宿区は、秋田一郎さん (@akita160 )を応援してます🎧 https://t.co/vvhQWw2q7j
— Naz Chris (@NazChris_dj) June 29, 2021
こうした働きかけを含めて、今回の都議選において一つの民意が示されました。
都議選の結果を受けて、この1週間で国政含めた様々な意思決定がなされたことは間違いありません。
そして、「夜の街」風俗営業に関わる政府の意思決定として話題となっていたのが西村大臣の発言でしょう。
西村大臣のシグナル
西村大臣の発言に触れる前にまずはこちらのツイートをご覧ください。
渋谷センター街です。
深夜0時の渋谷センター街。
センター街が立ち飲み屋になってるみたいです。 pic.twitter.com/2p6eirRQDG— ポタラ (@utYEtGcamDQX3rl) July 10, 2021
もちろん新宿歌舞伎町だって似たようなものです。
Mi11Lite5Gの撮影テストに行った7月3日23時半の歌舞伎町中心地。賛否両論あるとは思うけど大阪のミナミと同じく品も飾りっ気もない本能丸出しな雰囲気が人間の原点って感じで好き。コロナ終了後も安い路上飲みは一般化するだろうし、それはそれでありだけど、せめてゴミはゴミ箱に捨ててほしいとは思う pic.twitter.com/ddXQQIdz2y
— トーマス@ガジェマガ(バイク日本一周中) (@gadgetKaeru) July 5, 2021
「夜の街」がもつ魔力が最も発揮されるのが夏の夜だとすれば、酒類がその魔力にさらに潤いを与えていることは間違いありません。
政府としてはこの魔力を加速してしまう酒類を何としても封じ込めたいのでしょう。
【首都圏など酒停止 実効性が課題】https://t.co/61Ju9vNDcj
政府は東京都に緊急事態宣言を発令する。宣言を延長する沖縄県とともに、飲食店に酒提供の一律停止を求め、埼玉、千葉、神奈川、大阪4府県も飲食店の酒提供を原則停止とする。従わない飲食店が少なくなく、いかに協力を得るかが課題に。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) July 11, 2021
酒類提供の停止要請を行うにあたり、飲食店関係者にご協力頂けるよう、協力金支給の迅速化に向けその先渡しが可能となる仕組みを導入します。同時に、要請に応じない飲食店に対し特措法に基づく命令罰則を厳正に適用するとともに、当該事業者と酒類の取引を行わないよう酒類販売事業者に要請します。 pic.twitter.com/T2zc3SiBMz
— 西村やすとし #不要不急の外出自粛 NISHIMURA Yasutoshi (@nishy03) July 9, 2021
特措法令に基づく要請だけでなく、酒類提供飲食店と取引のある酒類販売事業者や金融機関を通じた働きかけにも言及したことから、世論の反発を招きました。※その後、撤回されています。
これに対しては露骨な飲食店イジメだと批判する意見も多く見られました。
このブログでは昨年1月から既に1年半に渡ってコロナを巡る「夜の街」風俗営業を取り上げて来ました。
その中で識者と呼ばれる専門家をはじめ、政治家の発信内容にも注目し続けて参りました。
その中にあって西村康稔経済再生担当大臣は、その時々のコロナ感染状況を把握し、各種法令や制度を正確に理解した上で、国民に向けて確かな情報を発信し続けている信頼できる政治家の一人であると確信しております。
もちろん、今回の金融機関を通じた働きかけ発言に対する世論の反応と言うのは自然であり、理解はできます。
ただ、西村大臣は今回の発言よりもっと過激な内容も発言されており、本ブログでも紹介しておりました。
要するに「本来お願いする必要はない、憲法12条の公共の福祉による制約としてコロナ対策上の強権施策を取ることも出来る」ということなんだと思います。
憲法12条の「公共の福祉」を内在制約と考えるなら、営業補償など端から必要ないという解釈だって成立しますよね、ということでしょう。
発言内容の是非はともかく、しっかりと方向性を示し、言いにくいこともはっきりと発言するからこそ信頼できる政治家であると思っています。
おい西村!飲食店イジメはやめろよなどと耳障りの良いポジショントークをするのは簡単です。
TVのバラエティ番組でもメディア報道の在り方を見直す発言も見かけました。
太田光「テレビは今までどうだったか?『政府は後手後手だ』といつも我々は言う。今回は早めの緊急事態宣言。宣言出したら今度は『飲食店が困ってる』と報道。テレビはちゃんとしたメッセージを出せてるか?って。野党の政治家が五輪と国民の命どっちが大事かって迫ったがそりゃ命って答えるしかない」 pic.twitter.com/zXo401keM1
— 自由 (@FreeTweet000) July 11, 2021
はっきり言って特措法要請違反の事業者は法令順守を軽んじ過ぎていると私自身も思っています。
しかも上場企業までもが堂々と法令違反上等と要請を無視し続けています。
これでは真面目に法令順守している事業者があまりにも可哀そうです。
西村康稔経済再生担当相は9日、酒類の提供停止に応じない飲食店に対し、取引金融機関から順守を働き掛けてもらう方針について、真面目に取り組んでいる事業者との「不公平感の解消」のためだと説明し、発言を撤回しませんでした。https://t.co/1WlcpsAHlk
— 東京新聞編集局 (@tokyonewsroom) July 9, 2021
酒類の提供停止に応じない飲食店に対し、取引先の金融機関から順守を働き掛けてもらう方針を西村康稔経済再生担当相が示したことについて、東京都の小池百合子は9日の会見で、「緊急事態宣言の効果を上げていくという思いは私も同じだ」と述べました。
— 東京新聞編集局 (@tokyonewsroom) July 9, 2021
今回の西村大臣が発表した金融機関を通じた働きかけは、冒頭で紹介したエンタメ関係者によるロビー活動と全く同じ思考回路です。
行動を起こして貰いたい相手に効果的で影響力のあるステークホルダーに働きかけさせるという意味で。
もっとも、西村大臣の場合は効果が効きすぎて世論が過剰反応してしまいましたが。
ただ、今回の一件で西村大臣の場合、明確な結果を出しました。
金融機関への働きかけはアキレス腱であり、極めて強力な威力を発揮することを認識させました。
その証拠に「過料上等」と前のめりになっていた事業者ほど、陰湿な飲食店イジメだと騒ぎ立てていました。
期限の利益喪失条項
皆さんは「期限の利益喪失条項」というのをご存知でしょうか。
お金を借りて融資契約を結ぶと金銭消費貸借契約と呼ばれる契約書を交わしますが、この契約書には必ずこの条項が盛り込まれます。
これはお金を貸した側である貸主・金融機関側の利益を守るための条項です。
例えば、借主・債務者が破産した場合や担保となる物件を滅失してしまった場合など、金銭消費貸借契約を維持する上での信頼や前提を欠くような事態になった場合、「期限の利益」が喪失して一括返済を迫られることになります。
もちろん、貸主・金融機関側の利益の為なので、返済を滞っても債権者である貸主・金融機関が主張しない限り発動されません。
ただ、この「期限の利益」を喪失する事項として、「反社会勢力に該当する」「申告内容に虚偽がある」「法令違反行為を行っている」などの契約を維持する上で信頼関係を壊すような信義則違反事由も含まれているのが通常です。
今回、「法令違反上等!過料ぐらい払ってやるわ」と前のめりに営業している事業者が、金融機関に対して意見を求めたら100%の確率で「法令順守して事業を行ってください」と言われるはずです。
法令違反事業に対して融資しているとなると融資担当者はもちろん、金融機関としての企業責任も問われることになります。
もちろん、金融機関だって貸し倒れになることよりも営業を継続して返済を行ってもらった方が良いと本音では考えているでしょうが、所詮は国家から許可を得て事業を行っている立場です。
西村大臣は金融機関からの働きかけの考えは撤回しましたが、金融機関上層部は間違いなく西村大臣のシグナルを受けとめたと思います。
また、テクノロジーを活用したモニタリングについても効果的で影響力あるメディアを選択したという点では同様です。
飲食店での消毒、距離、マスク、換気等を基準とする第三者認証制度は37自治体で導入済。今般、制度の質を担保するためのモニタリングの仕組みを新たに構築。利用者からグルメサイトを通じて情報を収集、都道府県がその情報を活用して改善指導等を実施。協力頂く飲食店への適正評価にも繋げていきます。 pic.twitter.com/qkgZOH9so9
— 西村やすとし #不要不急の外出自粛 NISHIMURA Yasutoshi (@nishy03) July 5, 2021
飲食店の集客においてグルメサイトの口コミ評価は欠かせないでしょう。
SNSを通じた監視活動というと聞こえが悪いですが、真面目に取り組んでいる事業者と法令違反事業者をしっかりと区別したいというシグナルは共感できます。
狂気の夏がはじまる
今回の都議選でもっとも有名になった当選者として木下ふみこ都議がいます。
【車に衝突】都民ファ・木下ふみこ都議、無免許運転で事故かhttps://t.co/Dl0GtRWtZ0
車をバックさせた際、停車していた車に衝突。乗っていた人は軽いけがをしたという。木下議員は都民ファの東京都議団副政調会長を務め、今回の都議選にも出馬、当選していた。 pic.twitter.com/TH6ceM7dGN
— ライブドアニュース (@livedoornews) July 5, 2021
本人としては「免許ありと勘違いしていた」と主張していますが、免許停止中の無免許運転だったようです。
この報道を受け、即刻議員辞職すべきと厳しい世論に晒されています。
不幸中の幸いで、事故の相手は軽いけがで済んでいるとのことです。
自動車を運転している以上、事故を起こしてしまう可能性は誰にでもありますが、無免許と言うのは100%本人の責任で社会的にも非常に厳しい批判に晒されます。
もう私の言いたいことは分かって頂いていると思います。
風俗営業はじめ飲食・娯楽サービス業に携わる事業者の皆さんは、しっかりと営業許可を取って事業を行ってください。
軽い事故は仕方なくても、無免許だと厳しい社会的制裁が加えられます。
よく弊所にも「〇〇というような事業を行いたいのだが風俗営業許可を取らなくても大丈夫ですよね?」といった問い合わせを貰います。
そうした問い合わせの殆どは、木下議員同様に事故を起こした時の重大さを全く理解できていません。
本気で許可なしで大丈夫だと思っているなら、堂々と所轄警察署に訊けば良いではないですか。
ワンチャンいけるんじゃねぇか?なんて気持ちで相談されても、警察行政の現実をお伝えするのが私の務めです。
もっと言わせて貰えば、西村大臣のシグナルを私なりに解釈するなら、金融機関や業務用酒類販売事業者よりも、遥か前から所轄警察署には働きかけ要請が行われていると思います。
「夜の街」風俗営業では法令違反事業者の摘発が続出しています。五輪開催期間中は一切手を緩めないと思います。
いかにも新宿の闇。こんなキャバクラ絶対行きたくないね笑 pic.twitter.com/pq7iBEakVv
— 風神エンリル (@kaze_nif) July 5, 2021
JR大塚駅近く 無許可でガールズバー営業で経営者ら逮捕 https://t.co/KVTpwMbjfh #tbs #tbs_news #japan #news
— TBS NEWS (@tbs_news) July 5, 2021
イベント業界でもステークホルダーからの働きかけを受け、ROCK IN JAPANが今年も中止となりました。
総合プロデューサーである渋谷陽一さんはコロナ禍にあって医療関係の方の協力と理解は絶対に必要なもの、医師会からの要請に十分に応えることが出来ない以上、中止以外の選択肢はないとコメントされていました。
【ROCK IN JAPAN FES. 2021 開催中止のお知らせ】
ROCK IN JAPAN FES. 2021は誠に残念ながら、開催中止とさせていただきます。
開催を楽しみにしてくださっていた参加者の皆様には深くお詫び申し上げます。
フェス総合プロデューサー渋谷陽一と事務局からのメッセージ→https://t.co/GwMgbomWnH pic.twitter.com/oTa6cB0j2g— rockin’onフェスOFFICIAL (@rockinon_fes) July 7, 2021
2年連続で苦渋の決断でしょうが、来年こそは必ずや素晴らしい夏の日を取り戻してください。
明日から緊急事態宣言下での五輪を迎える夏がはじまります。
昨年の夏が「特別な夏」だとすれば、コロナとの闘いの最終戦で五輪開催する今年は「狂気の夏」だと思っています。
最後に3年前のROCK IN JAPANでヘッドライナーを務めたサザンオールスターズのメッセージで締めたいと思います。
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ROCK IN JAPAN このステージに立たせてくれて
素晴らしいひとときを ありがとう
ROCK IN JAPAN このステージに立たせてくれて
素晴らしい夏の日を 忘れはしない
いつの日か この場所で 逢えるなら やり直そう
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やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!
それでは、また!
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