芸能人の薬物とクラブ風評被害
人の不幸は蜜の味
こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。
先週のFX・仮想通貨トレーダーKAZMAX逮捕に続き、女優の沢尻エリカが薬物所持で緊急逮捕されました。週末のワイドショーは沢尻逮捕のニュースで埋め尽くされました。
ニュースの傾向として「人の不幸」は伝播されやすいということがあります。「悪事千里を走る」と言いますが、善い行い以上に不祥事や悪評というのは噂が広まるのも速いもの。
特にキラキラと華やかな生活を送っていて羨望の眼差しで見ていたり、時には羨ましく嫉妬していた対象が不幸や不運、ましてや本人の行いによって処罰を受けたとなると情報拡散は凄まじい速さで進みます。
美術手帖 4月号 photo by LESLIE KEE -2014.3.17 Release-
また、これらの大衆心理を利用した炎上商法やバズマーケティング、さらには米テック企業による選挙世論形成まで、真偽不明な情報がまことしやかに拡散することが少なくありません。
今回も安倍首相主催の桜を見る会への批判が高まる中、週末のワイドショーやSNSでの世論を逸らす意図で、政府が警察を動かしたなどの推察も出てきています。清原・ピエール瀧逮捕時が政府与党にとってのスキャンダル時と交差しているということでしょうか。
いずれにせよ、世論を形成する大衆の関心事というのは国民に対する影響の大きさとは無関係に盛り上がるものです。
容疑者らが魅了されたWOMB
奇しくも両容疑者が事件当日に遊びに来ていた店舗は同じ渋谷のクラブだと言われています。
週刊文春が事前の逮捕情報を入手したとしてスクープした記事によれば、「4FのVIPルームで沢尻を目にした」とありますので、店舗構造上からも渋谷区円山町にあるWOMBであるかと思います。※もちろんWOMB自体は薬物事件などには一切関わっておらず、今回の一連の事件の風評被害者の立場にあると個人的に考えています。
このWOMBですが、今春19周年を迎えた老舗クラブで業界では孤高の存在と言える店舗だと思います。
1983年に創刊されたイギリスのクラブミュージック専門誌”Mixmag”では、2005年時点で全世界のクラブランキングで堂々の世界2位にランキングされています。“THE WORLD’S TOP 10 KILLER CLUBS” from Higher Frequency
パリピが集まってバカ騒ぎしているだけのミーハークラブではなく、最新の音響設備と店内空間設計、世界規模で活躍するDJ・アーティストの招聘と、クラブビジネスのど真ん中に事業投資している店舗だと言えます。要するに硬派なクラブということです。当然ながらクリエイターをはじめ、芸能人などの業界人なども多く集まる店舗だとも言われています。
実はWOMBを運営している企業の表向きの経営者(登記簿上の代表取締役)はハンティングキャップがトレードマークの桃井社長ですが、実質的なオーナーは中川氏だと言われています。この中川氏はWOMBから至近のATOM、Harlemなどが入居する不動産ドクタージーカンズビルなども所有しており、クラブ業界を語るうえで最重要人物の一人だと言われています。
WOMBでの空間づくりには中川氏の美学・哲学が色濃く反映されており、その空間に魅了された芸能人や金融トレーダーなどが集まってきていたとも言えるのかも知れません。
過去記事でも触れましたが、WOMBは「子宮」を意味し、最高の音響空間で胎内にいるような宇宙を感じるという意味付けがされています。現実世界での転落の直前、この宇宙空間で二人はどんな体験をしたのでしょうか。
やはりこのWOMBというクラブは魔力のように人を引き付ける魅力をもつ空間だと言えるでしょう。
そしてこの魔力のような魅力こそが、風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業の強さの源泉なのです。「体験価値」-言葉にすれば陳腐かもしれませんが、その魅力に取りつかれると何度も何度も通い詰めてしまう中毒性のあるビジネスモデルです。
決して薬物などなくとも、こうした「体験価値」は提供できるはずですし、何よりAIなどのテクノロジーではまだ代替できない、人間と実店舗のパワーが秘められた領域と言えるでしょう。
風評被害から摘発へ
一方で一連のニュースで両容疑者が逮捕直前まで遊んでいたナイトクラブは業界全体としても風評被害に直面していると言えます。
薬物などの犯罪は許されるものではありませんが、風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業は日常とは違う非日常体験を楽しむことにも価値があります。
来年20周年を迎える渋谷WOMBはもちろん、クラブ業界全体に対して今回の事件で生ずるマイナスの影響に負けないようここは踏ん張ってもらいたいものです。
他方でKAZMAXの麻締に対し、沢尻エリカの組対など部門横断的に動き始めているので、警察行政として生活安全課がクラブ業界に一斉に取り締まりを行う可能性が高まってきています。
警察は世論が高まればかなりの高確率で動きます。
特定遊興許可を取ったからと安心して照度違反をしていたり、店舗構造変更したりしていないでしょうか?
風評被害から思わぬ摘発を受け、大切な年末の売上を失うことが無いよう、必要であればご相談に応じます。クラブ業界はじめ風俗営業に携わる皆様をいつでも応援してます!
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