風俗営業許可の専門家選びで気を付けること
行政書士の懲戒ニュース
こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。
今年は冷夏になるかと思いきや、8月に入ってからは連日の猛暑ですね。
皆様、体調など崩されていないでしょうか。
やたべ事務所はおかげさまで炎天下の中、駒働きをさせていただいております。
そんな中で気になったニュースをひとつ。ニュースといっても同業者である行政書士業界のニュースなんですが、風俗営業に携わる方や専門家のサービスを利用される方にも参考になるのではと思い記事をアップさせて頂きました。
プライベートのFacebookなどでも紹介させて頂いたのですが、行政書士で風俗営業を専門にされている事務所が日本行政書士連合会から処分を受けました。
処分の理由は以下の通り。
「HP に掲載されている風俗営業許可のスピード申請の宣伝文句を信じ、風俗営業許可を依頼されたが、その申請書類があまりにもずさんな為、警察署員が書類の一部を修正し、警察署員指導の下、依頼者自ら書類を作成し、再提出する始末であった。また、実地検査の連絡に於いても警察と相馬会員との連携は無く、放置状態であった。依頼者とのメールでのやり取りでは自らの非を認めていにも関わらず、言い訳ばかりで、そのうち言い訳もせずに依頼者の問いかけを放置する悪質さであり、最終的に許可は下りたが、ずさんな仕事により、専門家に依頼したにもかかわらず、依頼者自ら書類作成させられる状況にするなど、行政書士の信用を著しく貶める行為である。同会員に反省の色が認められない事から、再び問題を起こす蓋然性が高いと考え、国民の権利を擁護するという意味からも厳しい判断とした。」
処分とは言っても、行政書士会の場合は懲戒権などはなく、あくまで勧告です。強制力がなければ屁とも思わない輩が少なくないのも会社員ではない自由業者の特徴。厳しい判断とはいっても、どこまで効果があるかは分かりません。
懲戒事務所が大切にしていたもの
ところで、今回のニュースで一般の方にも参考になると思ったのが、この事務所が「格安・スピード」を売りにしていたということです。
一応、事務所の具体名は伏せますが、実はこの事務所はインターネット検索、つまりSEO的にはかなり強く、キーワード検索すると上位表示される事務所HPを持っています(現在も公開中です)。
何が言いたいかと言うと、専門家のサービスの中でも、特に一回こっきりのスポット業務をメインにしている事務所の中には、新規顧客を捕まえることに全精力を使って、肝心のサービスや専門能力に欠けるところもあるということです。
一般に経営学上は新規顧客獲得よりも、既存顧客の維持の方がコストを抑えられ効率的と説明されています。
ところが、スポット業務の場合はそうはいきません。「風営1号許可を取ったお客さんに、せっかくだから2号許可も取っておきましょうよ」とはいきませんからね(笑)
実はこのビジネスモデル構造は行政書士だけでなく、税理士なんかでも同じです。開店に向けた営業許可というのは絶対に遅らせたくないのと同様、企業の税務申告なども絶対に避けて通れない手続きで、期限を過ぎる訳にはいきません。
このような業務ですと、いかんせん新規顧客獲得に注力してしまい、一方で実際のサービス品質は低下してしまう専門家も少なくありません。
サービス品質が悪くたって、実際に許可が取れる・申告業務を完了してくれるなら良いですが、依頼者側に自ら対応させているようでは全く持って割に合いません。
専門家との賢いつき合い方
では、どうやって区別すればよいのでしょうか。実はHPなどのインターネットだけでは判断しづらいというのが本音です。
件の処分を受けた事務所もやたべ事務所も、HPは全てに通っています。「許可率や手掛けた申請数、業歴」などの定量的データをトップに並べ、「選ばれる理由」を3つなどともっともらしくコピーにしています。
これはコンテンツマーケティングとよばれる、インターネットでの顧客獲得手法として現在主流のやり方で、要するにGoogle社のアルゴリズムに対応したWebマーケティング手法なのです。
この手法は全て同じでも、実際に専門家としての実力は差があるのは当然です。なので、私のお薦めはSEOで上位表示されている事務所でも、必ず直接相談、最低でも電話で専門家本人と話してから依頼するかを判断すべきだと思います。
人間ですから合う・合わないも当然ありますし、何より現在の諸状況を説明して直ぐに付加価値ある情報を提供できるかどうかでおおよその実力は図れます。
また、どうしても安価に上げたい方は、相談してからではなく、最初に予算を伝えるべきでしょう。実力のある専門家であればあるほど、後からディスカウントされることを嫌がります。特に「他の事務所ではいくらだったからまけてくれ」なんて言うと、実力ある事務所であればまず間違いなく「では、その事務所でどうぞ」となります。
これは先ほど説明した「スポット業務ビジネスモデル」だからこそです。継続的取引ならまだしも、一回こっきりで、所詮あるかも分からない紹介などをアテするよりも、もっと良質なお客さんを待った方が良いと判断するのが専門家です。
その辺の勘所を抑えて、専門家への相談をうまく進めてみてください。それでは、また!
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