風営紳士録2.0

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風営法違反でのガサ入れを撮影することの意味

暴走中年の夏

 

こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

お盆も終わり今週からまた仕事復帰の方も多いと思います。
お盆に帰省で車で移動された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
夏休み期間中に話題となった常磐道でのあおり運転・傷害事件の容疑者が捕まりました。

逮捕される際、容疑者が暴れまわりながら発した言葉「自分から出頭しますから!」が何度も放映されています。

ここで皆さんは何を感じましたか?

私は「警察慣れした経験者だな」と感じました。

今回はこのニュースを題材に考えてみたいと思います。

 

風営法違反の場合

 

まず皆さんは風俗営業許可違反のケースでも逮捕されることがあるのをご存じですか?

意外と行政法違反だけと勘違いして、交通違反程度にしか考えていない方もいらっしゃいます。風営法に違反すると行政上の責任だけでなく、刑事上の責任も問われることになるのです。

行政上の責任としては、営業取消・営業停止などがあります。この処分が一般的に知られていて、実は科される処分としてはこれだけなのかと勘違いされているケースが少なくありません。

市民生活を送る中でもっとも身近な行政法違反が交通違反でしょう。

風営法違反もこの交通違反同様に、スピード違反で違反切符を切られ、点数が引かれる程度にしか考えていないとなると手痛いしっぺ返しを食らうことになります。

風営法違反での違反切符というのが、公安委員会による行政処分があたります。これが前述した営業取消・営業停止などです。

ただし、ここに「悪質性」が認められると刑事処分も科されることになります。主な法定刑は以下の通りです。

【2年以下の懲役または200万円以下の罰金またはそれらの併科】
1.無許可営業
2.偽り・不正手段での営業許可等
3.名義貸し
4.営業取消・営業停止等の処分違反
5.禁止区域での営業

【1年以下の懲役または100万円以下の罰金またはそれらの併科】
1.無届出の営業所構造変更営業
2.偽り・不正手段での営業所構造変更届出等
3.偽り・不正手段での特例風俗営業者認定
4.18歳未満の従業者使用
5.18歳未満の客の立ち入り
6.20歳未満の者への酒・たばこ提供
7.禁止区域での深酒店の営業

【6月以下の懲役または100万円以下の罰金またはそれらの併科】
1.客引きまたは客引きのためのつきまとい行為等
2.無届出の性風俗営業、等

いかがでしょう?風俗営業に関するほぼすべての態様について行政処分だけでなく、刑事処分も対象とされているのです。ちなみに風俗営業の経営者は見せかけの藁人形で背後に実質的な経営者がいる場合、名義上だけでなく実態的に判断され処分が行われます。

違反行為でも、処分対象者でも、その場しのぎの言い訳や取り繕いは通用しないのです。警察は必ず経営実態や営業実態から判断し、処分を行っていきます。

 

出頭と自首の違い

 

ここで冒頭でお話しした暴走中年容疑者の言い訳を思い出してください。

私がなぜこの容疑者を「警察慣れした経験者」と感じたかと言うと、「出頭」したという事実を無理やりにでも作っておくことで後の裁判を少しでも有利にしようとしていると感じたからです。

この点はご存じの方も多いと思いますが、「自首」は捜査機関に判明していない段階で自主的に名乗り出ることです。

一方、「出頭」は捜査機関に特定された後に自主的に名乗り出ることです。

「自首」であれば刑の減軽事由となりますが、「出頭」であれば減軽事由とはなりません。ただし、「出頭」したという事実が認められれば情状酌量が認められる可能性が出てきます。

「自首」と「出頭」の法律用語の違いを理解したうえで、ダメもとでも「出頭」したい意思があることを連呼していたことから、こうしたトラブルの経験があるのかなと感じました。

 

映像の力

 

そして何よりも私が容疑者が「警察慣れしている」と感じたのが、フジテレビなどの取材カメラが身柄確保現場にいた際の反応です。

運転などでキレるようなタイプの容疑者が興奮状態にあれば、身柄拘束されそうな際に撮影されていれば、「何勝手に撮影しとんじゃい!」くらいに怒鳴り散らすはずです。

ただ、警察経験のある人であれば、身柄拘束場面を第三者やマスメディアが撮影していれば逆に利用しようとします。

身体拘束などの強制力を発揮するときの警察は映像などの資料に残されるのを嫌います。ほぼ間違いなく容疑者に有利になってしまうからです。

TVをご覧になった方の中にも、真夏にあれだけ着込んで変装して毒づく容疑者なんだからとっととショッ引いいて行きゃよいのにと思われたかもしれません。でも、警察はあくまで任意同行という形を優先していましたね。

あれは後の立件を見据えて、違法逮捕や刑事手続き違反を絶対に犯さないように留意していたからだと思います。

その辺も理解しているか、容疑者も撮影カメラマンに「どこの放送局ですか?」とまで聞いていました。マスコミの映像として残るのであれば自身に有利なように利用しようと即座に判断したのだと思います。

その上で「触らないでください」(身体に対する強制力)を強調し始めました。また、違法捜査が行われているかのように東住吉署への拒絶感をカメラ前で強調していました。

ここからは教訓ですが、警察からの不当な扱いを抑制するには動画で撮影するのが最も効果的です。その場で言葉で論破しようとしても向こうも仕事なのでいちいち話し合ってられません。「撮影」すれば証拠資料となります。これが一番効果的です。

そもそも今回の事件もドライブレコーダーに記録された衝撃的な傷害映像からここまでの大ごとになりました。

その意味では風俗営業店舗でも、不要なトラブルを避ける予防装置として、受付などはカメラで撮影を行い、撮影を行っていることを周知することが効果的かもしれません。

時間・金を持て余した不良中年の暴走の夏でしたが、風俗営業に携わっているとあの手の人種と関わることも稀にあると思います。また、まったくいわれない理由で警察から強制力を行使されそうになった場合、やはり映像として撮影しておくことは自らを守ることにもなるはずです。是非、教訓として活かしてみてください。

 

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