風営紳士録2.0

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受動喫煙防止で麻雀店(マージャン店)の風俗営業許可に影響か?

争点となったたばこ規制

 本日、衆議院議員選挙が行われ、先ほど投票が締め切られました。今回の選挙は、当初政権選択選挙として位置づけられていましたが、野党分裂などにより選挙情勢が変わり、自公連立・安倍政権に対する信任選挙としての性格を帯びました。

 

 争点として、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、受動喫煙防止対策への取り組みを強調する政党もありました。今後、麻雀店(マージャン店)をはじめとした屋内での喫煙はどのような規制を受けることになるのでしょうか?

 

 

たばこ受動喫煙防止条例

 今回の衆院選に先立つ10月5日、東京都の「子どもを受動喫煙から守る条例」が都民 ファーストの会と公明党が共同提出し賛成多数で可決、成立しました。

 

 東京都としては四半世紀ぶりに議員提案の条例制定となり、小池都知事主導の都議会改革の具体化する象徴的な条例制定となります。

 

 今回はこのたばこの受動喫煙防止条例の内容を紹介しながら、麻雀店(マージャン店)をはじめ、風俗営業許可の店舗でたばこの受動喫煙防止の規制がどのように影響するかを考えていきましょう。

 

条例の目指すもの

 今回、可決制定された条例は、家庭内での受動喫煙防止が中心で、施行は来年の4月からとなっています。小池東京 都知事は国に先駆け受動喫煙対策に取り組むことで、改革を行う東京都の姿勢を示す 狙いがあるものと思われます。

 

 条例では「子どもは自らの意思で受動喫煙を避けることが困難で、保護の必要性が高 い」と明記しています。そして、保護者に対しては子どものいる室内や車内での喫煙禁止や、分煙が不十分な飲食店などに立ち入らせないことなどを求めています。ただし、この条例には罰則は設けられておらず、努力義務となっております。

 

 条例が審議された都議会厚生委員会では、私的な生活空間に踏み込む内容に、家庭内 の規制は慎重にすべきであるとの意見も出されていました。

 

 「法は家庭に入らず」の格言の通り、自由主義を徹底して人権侵害につながるような条例は制定すべきでないとの考えもあったようです。

 

 しかし、家庭内での虐待や暴力を規制する児童虐待防止やDV防止と同じ見地から、子どもの受動喫煙防止は積極的な規制が求められるとの判断がなされました。

 

 子どもはたばこの煙がある所とない所を選ぶ自己決定自体が出来ない以上、当然と言えば当然です。

 

 極端に言うと「たばこを子どもの前で吸う行為は児童虐待にあたる」との判断のもと、努力義務としての受動喫煙防止義務を課す条例だということです。

 

 ただし、努力義務であるため通告義務や立ち入り調査が家庭内に及ぼされることはありませんし、罰則も設けられていません。

 

 

家庭以外の受動喫煙防止対策のゆくえ

 今回の条例制定を見て、ホッとした方と、生ぬるいなと思った方がいるでしょう。

 

 しかし、東京都では今回の条例とは別に、飲食店などを屋内原則禁煙とし、罰則を設けた条例を追加するようです。小池都知事は都議会へのこの条例案の提出を、来年2月~3月を目標にしているようです。

 

 「たばこのない五輪」を国際オリンピック委員会(IOC)が目指していることから、 東京都や国は受動喫煙問題について、2020年東京五輪・パラリンピック開催までに対 応をしなければなりません。

 

風俗営業許可店での受動喫煙防止対策のゆくえ

 たばこの煙が立ちこめている印象があった麻雀店についてはどのようになるんでしょうか?

 

 「酒を飲まない、たばこを吸わない、お金を賭けない」の健康麻雀もありますが、まだまだ愛煙家の多い 麻雀業界への影響は大きなものになるかも知れません。

 

 私が新規出店を手掛け、昨年秋にオープンした五反田の麻雀店では、最初から喫煙 ルームを設けました。そちらの系列店では同一ビルの複数階に出店をし、禁煙、喫煙 フロアーを分けたり、通常営業と健康麻雀のフロアーを分けたりと営業形態に工夫を凝らしています。

 

 受動喫煙防止条例が麻雀店(マージャン店)をも規制するとなると、皮肉なことに一番煽りを受けるのが、禁煙麻雀店(マージャン店)になると言われています。

 

 禁煙を徹底し、非喫煙者や女性向けに差別化を打ち出していたにも拘わらず、条例で一律に規制されてしまうと比較優位性が失われ、店としての個性や選ばれる魅力が減少してしまうからです。

 

 これからの麻雀店(マージャン店)の生き残り、集客には経営者の個性と姿勢、アイデアが重要な要素 になってくるように思われます。元来、麻雀店(マージャン店)は頭脳勝負の知的な営みです。

 

 雀士としての潮目を見る勝負勘でしっかりと時代の環境変化に適応し、生き残りを図ってもらいたいところです。それでは、また!</sp

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