風営紳士録2.0

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新しい生活様式の下で生き残る風俗営業とは

緊急事態宣言延長決定

 

皆さん、こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

緊急事態宣言の延長が正式に決定されました。

5月14日の時点で公衆衛生的な改善状況の見極めを行うとのことでしたが、具体的な宣言解除の基準が定量的に示されることはありませんでした。

また、雇用調整助成金や店舗家賃補助など既に議論されている制度への言及はありましたが、延長にあたっての新たな支援策は発表されませんでした。

※一方で【東京都感染拡大防止協力金】は5月以降の延長期間での協力に対し、追加支給することが発表されています!

延長すること自体は数日前から報道されていたためサプライズとなる内容ではなかったと思いますが、それでもやはり正式に延長が決定されたことで更なる経済的打撃への不安が高まっています。

特に運転資金が乏しい小規模零細企業・個人事業主にとっては、大きな決断を迫られるタイミングとなるかもしれません。

重要な経営戦略には3つあると言われます。

1.成長戦略
2.競争戦略
3.撤退戦略

今回の宣言延長を受け、3番目の撤退戦略を真剣に考える事業者の方もいらっしゃると思います。

コロナ禍の打撃をまともに喰らっている風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業の事業者の皆様は特にそうでしょう。

 

 

新しい生活様式とは

 

特に今回の延長決定に際しては、政府専門家会議から「新しい生活様式」の提案が行われていました。

国民の生活様式、消費行動を変えようとする提案ですが、実はこれを額面通りに解釈すれば、風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業の殆どの事業継続が難しくなると思われます。

【新しい生活様式の具体例】
人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空ける
遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶ
会話をする際は、可能な限り真正面を避ける
狭い部屋での長居は無用
歌や応援は、十分な距離かオンライン
持ち帰りや出前、デリバリーも
屋外空間で気持ちよく
大皿は避けて、料理は個々に
対面ではなく横並びに座ろう
料理に集中、おしゃべりは控えめに
お酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けて
多人数での会食は避けて

接待飲食店はもちろん、個室居酒屋やスポーツバーなどほぼ全てひっかかってくるのではないでしょうか。

何よりこの「新しい生活様式」だけは5月末の期限付きで求められているのではないという点です。

コロナが完全に収束するまでは、行政として「新しい生活様式」を国民に提示し続けていくことでしょう。

コロナが完全に収束というのはウイルスに対する抗体が開発され、全世界にワクチンが行き渡るタイミングになると思います。

次期オリンピック・パラリンピックの開催が正式に中止されない限り、日本国内での感染状況だけで判断できないことは間違いありません。

 

 

終わりのはじまり

 

かつて渋谷・円山町がラブホテルと性風俗の街であった時代に、突如大箱クラブが出現しました。

故・大原茂桂氏が創業したカルチャーオブエイジア運営のclub asiaです。

大原氏は餃子などの外食ビジネスも手掛け、当時の人気番組だった『マネーの虎』などにも出演するなど一躍時代の寵児となりました。

 

club asia出店後、同じく時代の寵児であった故・フィリップ・A・ミラー氏のPYLONが青山から渋谷・円山町に移転し、ギャル・ギャル男の聖地となることで、渋谷・円山町の雰囲気は一変し、その後の渋谷ユースカルチャーに大きな影響を与えました。

植竹拓氏ブログより

 

その後も、HARLEMWOMBと本格的クラブが続々と出店し、渋谷・円山町のクラブ街はclub asiaを起点に隆盛を極めることになりました。

訪日外国人観光客も多く惹きつけていた渋谷のクラブ街を牽引していたのがカルチャーオブエイジアであり、文字通りアジアからのインバウンド需要に向けて日本のクラブカルチャーを発信し続けてきた訳です。

 

そのカルチャーオブエイジアが先週ひとつの決断を下しました。

創業店舗であるclub asiaに経営資源を集中させ、生き残りを図るために系列店舗のVUENOSGladLounge Neo3店舗の閉店を決定しました。

閉店を決定した3店舗はclub asiaと通りを挟んで目の前に立地していたことから、クラブキッズの間ではこの通りを「エイジア通り」と呼ぶくらい地域に根付いていたようです。

 

現在、club asiaはクラウドファンディングを行っており、かなりの金額が集まっています。

 

もっとも、club asiaを存続させることだけでなく、3店舗を閉店させるのにも資金も必要となってきます。

ギリギリの選択だったと思いますが、何としてもclub asiaだけは残して、また渋谷・円山町の活気を取り戻してもらいたいですね。

 

 

進むも地獄退くも地獄

 

今回のカルチャーオブエイジアの決断は他の店舗にも影響を及ぼすと思います。

ナイトクラビングの合間にチルアウトする快適空間として人気の宇田川カフェをはじめ、ライブハウスや音楽プロダクションを運営するLD&Kの大谷秀政氏もカルチャーオブエイジアの決断に言及していました。

渋谷とか東京の店舗って、不動産の解約をするには6ヶ月前に告知が必要なんですね。ということは、コロナが起きてから大家さんに解約手続きをとった場合、家賃もそこから6ヶ月間は払わなきゃいけない縛りがある。そこを待たずして閉店を発表したっていうのはすごいなと。基本的に4店舗ある中の3店舗を閉めて、clubasiaだけ支援を募る形(clubasia 存続支援プロジェクト クラウドファンディング)にした方が支援は集まりやすいんじゃないかという経営判断なんだと思います。4店舗全部の家賃を払い続けるのは、従業員の人件費も含めて厳しいんじゃないかって判断があったのかなと。正直、撤退するんだったら早くした方がいい。我慢しても借金が増えるだけなので。ただ、うちは借金をする方向に舵を切ったんですけど、撤退するのにもお金がかかるんですね。原状復帰のお金だけでも1店舗あたり数百万かかる。それを考えると、今撤退ができない店舗も多いんじゃないかと思います。」STORYWRITERより

 

設備投資が大きく固定費がかさむ店舗では、今は売上をつくること以上に資金流出を止めることが重要です。

はっきり言って、コロナ禍の現在であれば商売を辞める上でのそこまでの心理的抵抗は少ないはずです。

ただ、止めたくても手元資金がないため止めれないというのが本音の事業者も少なくないのでしょう。

継続する場合も、撤退する場合も、いずれの場合もネックとなるのは資金です。

第三者的立場から絶対にあきらめるな頑張れというだけでなく、「新しい生活様式」実現のためには退きたくても退けない事業者に対して撤退を支援する制度も必要だと思います。

「素人は戦略を語り、プロは兵站を語る」と言われます。

継続を希望する事業者だけでなく、勇気ある撤退を決断する事業者への支援も含めた兵站こそが政府・行政に求められています。

現在はまだ外食産業に対する国民の同情が集まっている段階なので、外食応援の機運がありますが、これも一過性のものとして終わる可能性もあります。

行政としても飲食店向けに「期限付酒類小売業免許」取得などで打開策を提案していますが、デリバリーでも、オンラインECでも、それを本業とする既存事業者が居ますから、これら既存業者との競争に勝てない限り、対処療法でしかなく本質的問題解決にはつながりません。

これからサービス業・小売業だけでなく、製造業など他の業種に倒産危機が及び始めれば、外食応援機運だけが維持されるとは考えづらいと思います。

6月の宣言解除以降も需要回復が見込まれないならば、一旦撤退して次なるビジネスチャンスを待つ、これもひとつの正しい判断だと言わせてください。
 

 

 

4月の激アツ産業

 

逆に6月以降の反転攻勢に出るべきは「店さえ開けば客が来る確実な需要に支えられている事業」です。

4月の緊急事態宣言期間中、もっともメディアの話題となったのはパチンコ産業でしょう。

休業協力要請に従う従わないから、店名公表や依存症問題まで識者が多くの発信を行っていました。

中でも維新関係者の一連の発信は注目と共感を多く集めていたと思います。

 

パチンコ規制の是非は別に、これだけ叩かれても需要があるパチンコ産業はやはり強く生き延びるだろうなと思います。

なお、音喜多議員は自身のチャンネル動画内でパチンコ産業に対する懸念として警察権力介入の可能性に触れていました。

風営法改正に関わった秋元被告や高井議員が警察権力により政治的に大きなダメージを負わされたのは恐ろしい、と。

 

都市伝説的ネタとしては面白いと思いますが、三店方式について明確に説明していたこととは対照的にかなりいい加減なことを言うな~と笑ってしまいました。

秋元被告の刑事訴訟手続きに何らかの司法的不備があったんですかね?

高井議員の風俗店利用は警察によってリークさせられたのでしょうか?

高井議員に至っては法令違反行為はありませんから、警察の立憲民主党への関与ということでしょうか??

維新としてパチンコはギャンブルだから規制すべしとの大号令が上から出ているので、結局はパチンコ産業を既得権にしがらみあるグレー産業として位置付けたいだけなのかなと感じてしまいました。

組織の号令に従い、最終的には捨て駒にされてしまうという意味では、小池都知事の都民ファーストの会での幹事長時代にも苦い経験をしていると思いますので、組織の論理と個人の政治信条とのバランスに気を付けて今後も活躍してもらいたいものです。

 

 

社会悪の強さに学べ

 

世論から社会悪として叩かれているという面では、たばこ産業も同様でしょう。

パチンカス、ヤニカスと執拗に攻撃を受けている産業ですが、どんなに社会悪として叩かれても産業として成立しています。

それを求める需要があるからです。

コロナ禍での喫煙者の重症化が叫ばれていますが、巣籠り需要拡大のせいか加熱式たばこに至ってはさらなる成長を予測しています。

 

パチンコ・たばこの両者に共通するのは「継続性」です。

一度、パチンコ・たばこの魅力に取りつかれた顧客は基本的にずっと商品・サービスを利用し続けます。

本気でパチンコ・たばこを潰すなら、この「継続性」を断絶させなければなりません。

パチンコで言えば「換金性」ですし、たばこで言えば「ニコチン」です。

ここにメスが入らない限り、当局は本気で規制する気はないということです。

「依存症」というとマイナスイメージしかありませんが、ロングセラー商品・サービスは必ず「継続性」による固定客が存在します。

風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業の事業者の皆様も、宣言延長を受けて選択を迫られていると思います。

その際はこれまでの売上に占める「継続性」ある固定客の割合を勘案してみてください。

6月以降も「新しい生活様式」が解除されることはありません。

新規客は獲得できない前提で固定客ベースで6月からの予想損益を試算してみてください。

6月以降補助金などが途絶えた際に固定客リピーター収入がどこまで売上を賄ってくれるかです。

家賃・人件費といった固定費回収ラインである損益分岐点までを固定客売上で賄えれば理想的です。


モーニングサテライトより

これまでも「継続性」ある固定客に支えられてきた商売なら、早期に回復軌道に乗る可能性があると思います。

逆に常に新規客を開拓しつづけてきた商売なら、撤退戦略を真剣に考えても良いと思います。

「新しい生活様式」の下での日常で新規客を獲得するのは非効率だからです。もっと効率の良いビジネスを手掛けた方が良いはずです。

変化する環境に適応するにも、自身の強みを最大限発揮できる場で勝負し、自身の弱い土俵では戦わないことです。

風俗営業として正規に営業許可・届出を取得し「継続性」ある固定客を囲い込んでいる事業者は、必ず復活のチャンスが訪れるはずです。

緊急事態宣言終了後「新しい生活様式」の導入に伴い、「継続性」ある固定客をもたない多くの店舗が閉店を余儀なくされると思います。

自粛による経済不況を叫ぶ者も、こと夜の街・3密の風俗営業に対しては切り捨て御免な状況です。

こんな状況だからこそ、いい加減なインフルエンサーや無責任なコンサルタントの言うことなどに騙されず、確実に売上につながる顧客の声に向かい合ってください。

やたべ行政書士事務所は、風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

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