風営紳士録2.0

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歌舞伎町キャバクラで機動隊による強制捜査

改正特措法が成立

 

皆さん、こんにちは!

東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

2月最初の1週目お疲れ様です。

今週は改正特措法及び改正感染症法が成立し来週2/13(土)深夜0時から施行されることになります。

風俗営業に携わる事業者の皆さんに特に覚えておいていただきたいことは「まん延防止等重点措置」が新たに設けられたということです。

これは緊急事態宣言発出前での都道府県知事の権限強化であり、宣言前でも政府が対象地域とした都道府県の知事は事業者に対し営業時間の変更などを「要請」し、応じない場合は「命令」ができるようになります。


詳細はこちらのNHKサイトが分かりやすいのでご参考にしてください。

この規定が新設されたことにより、今回の緊急事態宣言が解かれる予定日の3/7(日)を過ぎた後も、東京都などでの飲食店への時短要請が継続されると覚悟しておいた方が良いと思います。

おそらくはワクチン接種が全国民に十分行き渡るまで、何らかの形で飲食店向けの営業活動への制約は継続されると思われます。

最大の理由は、今回の緊急事態宣言下での飲食店への時短要請で新規感染者数が減少してきたことから、飲食店を急所として対策強化することの有効性に政府が自信を持ったと思われるからです。

13日未明、より具体的には来週12日(金)夜の営業で深夜0時をまわった時から20時以降の飲食店の営業は行政罰の対象となります。

 

また、3/25から東京オリンピック・パラリンピックの聖火ランナーがスタートします。

その前の3月中旬、具体的には緊急事態宣言終了予定日の3/7から東北震災10年目である3/11にかけて五輪開催に向けた判断がなされる可能性が高いと言われています。

もちろん世界的な感染状況によっては4月以降でも中止判断を行うと思いますが、もし中止するのであれば政府及び東京都としても3.11前後までには何らかの判断を示すと思います。

現状の世論の大勢は開催中止ですが、政府・東京都としては無観客開催を含めて最後まで開催に向けて取り組んで行く姿勢を示しています。

何より新型コロナウイルスの感染予防を目的とした法律改正ですが、同時に五輪開催に向けたブーストをかける意味合いもあるのではないかと考えています。

逆に言えば、もし東京オリンピック・パラリンピックが正式に中止となれば3月以降の飲食店への対策も若干緩和されるのではないか、とも考えています。

 

 

法改正への布石

 

今回の改正で特措法と同時に改正された感染症法では、違反に対する罰則として当初は懲役や罰金の刑事罰を科すことが検討されていましたが、与野党の協議を経て前科のつかない行政罰に修正されました。

個人的には自民党議員の「夜の街」銀座での夜遊びが報道されたことが大きく影響したと考えています。

実は今回の法改正の原案となったともいえる内容が、既に昨年の都議会で都民ファーストの会の議員提案立法として提出されていました。

 

当時の世論は事業者及び感染者に対する人権制約が厳しすぎると批判が強く、都議会第2会派の都議会公明党の協力も得られなかったことから結論は持ち越しとされましたが、その後の感染状況の悪化から世論が変わり年明けの法改正へとつながりました。

結果的に時代を先取りしていたと思われる都民ファーストの会の提案に対しては、基礎自治体である新宿区の区長などからも疑問を呈されていました。

このような世論が180度変わった背景が年末年始での新規感染者数の急増でしたが、同時に菅政権への支持率の低下もあったように感じます。

思えば昨年12月のステーキ会食が大きな分岐点になっていたのではないか、あそこから議員の気の緩みが生まれ「夜の街」銀座での夜遊びなどにつながってしまったのではないかと個人的に考えています。

少なくとも12月のステーキ会食が報道された段階で、自民党二階幹事長が猛省の姿勢を示せば党内でのメッセージにもなったと思います。

反省どころか、「そんなもので支持率は落ちはしない」との高を括った姿勢が見透かされたことから議員の気も緩み、支持率低下・世論の変化につながっていったのではないでしょうか。

ちなみに、年明け1/31に開催された千代田区長選挙でも都民ファーストの会の都議会議員であった樋口たかあき氏が当選されました。

これもまた年末年始で変化した民意の表れの一つだったのかも知れません。

 

 

機動隊による強制捜査

 

では、今回の法改正で修正された行政罰としての過料(あやまちりょう)について、前科がつかないこと以外にどのような特徴があるのでしょうか。

過料は講学上、秩序罰と呼ばれ刑法総則や刑事訴訟法の規定が適用される行政刑罰とは明確に異なります。

このことを端的に象徴する事件が今週ありました。

人気Youtuberでもある桜井野の花さんがオーナー社長を務める新宿歌舞伎町のキャバクラ店が時間外営業で強制捜査を受けました。

本件に関するSNSでの反応を見ると「見せしめだ」との意見を多く目にしました。

実はこの指摘はあたっており、犯罪を抑止させる効果を狙った側面は間違いなくあると思います。

その証拠に深夜に行われた摘発にも関わらず、報道陣がばっちりとスタンバイして被疑者が連行されるところを報道できるよう事前に警察が情報提供したと推察されます。

そもそも刑事政策の世界では、犯罪予防としてどのような報いがあるかをしっかりと示しておくことが基本的な考えとして存在します。

同業者の通報が重なったのではないかとも言われますが、警察としては単なるメシウマ案件としてではなく、法令順守の大切さを強く認識してもらうために報道機関に情報提供している訳です。

もちろん、あくまで被疑者に過ぎない段階ですので人権に配慮してビニールシートで覆われていますが、報道段階では被疑者として実名・顔出しで報道されていました。

同じ「時間外営業」でも、今回の改正特措法違反と風営法違反とはこうした刑事手続きのルートになるかどうかで決定的に異なるのです。

ましてや今回の歌舞伎町のキャバクラ店の場合、機動隊による強制力行使を前提としているので、警察としても厳しく取り締まることで同じような犯罪の予防を行う意図があると思われます。

おそらくこれまで度重なる行政指導に対し、鍵をかけて閉店を偽装したり、客が勝手に居座っていると言い訳を繰り返していたのではないでしょうか。

 

この店舗は区役所通りに面しており、新宿区役所だけでなく、本職関係事務所の密集エリアでもあります。

ただ、こうした本職の方々以上に絶対にメンツを潰してはならないのが「桜の代紋」です。

本件では機動隊はオノで開錠したとありましたが、場合によっては電ノコでも何でも使用します。

 

警察を軽んじて逮捕・勾留されれば、刑事手続きに基づいて最長23日間は出てこれません。

かつてのダンス風営法改正時のように、「ダンスは文化だ」と信念を貫いて国家権力と闘うと言うのであればそれはそれで結構です。

ただ、少なくとも自らの行為がどの程度のリスクを伴う行為なのかは風俗営業に携わる全ての方に知っておいてもらいたいのです。

「行政処分」に至らない「行政指導」の段階で引き返すことの大切さは、処分を受けて初めて痛感するものです。

風俗営業許可の重み

 

なお、コロナ特措法改正の過料に関しては、社民党の福島瑞穂議員の質問に対して、内閣官房審議官は「客の方で居座っていたというケースは(営業時間短縮の)要請に応じていただいているということで過料の対象にならない」との回答を示したそうです。

では、これと全く同じことを風俗営業許可店で警察の立ち入り調査時に言い訳したらどうなるでしょうか?

もちろん、一切通用しません。

やはり、風俗営業許可とはそれだけの重みのある権利なのです。

本来は禁止されている営業を、許可を得た事業者のみに認める厳格な営業権ですので、目先の利益のみで刹那的に粗末にしないでください。

風営法の行政刑罰は刑事手続き処分になるので、最終的な事実認定は裁判所で行われますが、警察は相応の裏取りを行ってから摘発を行っています。

ましてや今回のような機動隊まで導入してガサ入れに来ていて、「客が居座った」と言われて、「ああ、そうでしたか」とガキの使いのように帰る訳がありません。

施錠するなどして立ち入り調査を妨害すれば、時間外営業以外の罪も加わるでしょうし、警察も一切手を緩めないと思います。

懲役は免れたとしても、罰金だけでなく営業許可が取り消され、5年間は営業許可を取れなくなります。

何より桜井野の花さんのようにYoutubeなどSNSで活躍している人には「夜の街」だけでなく、オンラインの世界での無限に拡がるチャンスまで失ってしまうことになります。

国家権力以上に、テック企業のプラットフォームからはじき出されることのリスクは事業者なら理解しておいた方が良いでしょう。

もっとも、こうした摘発は決していきなり来るわけではありません。

まずは、定期的な立ち入り調査にしっかりと対応できるよう取り組むことから始めてください。

是非、「体験入店だけでなく、立ち入り調査だっていきなり来ちゃってオーケーよ」と胸を張れる店舗経営を行ってください!


キャバキャバサイトより

 

ネットでは、ガールズバーなどを取り上げて「接待行為」の有無を議論している記事を目にすることが多いと思います。

ただ、警察の立場からするとこのような議論の分かれる事案での立件よりも、もっと客観的に事実認定できる事案での立件を狙うはずです。

具体的には禁止地域・時間外営業、従業員名簿不備などです。

これらの違反行為は言い逃れ出来ませんし、捜査が空振りに終わる危険性も低いので摘発されやすいのです。

具体的にはこちらの記事にまとめていますのでご参考にしてください。

参考【東京アラートで立ち入り調査もアラート発動】

事前に行政指導を行っても改善せず、警察上等と煽るような営業を続けてしまうと、その末路は惨めなものになってしまいます。

2/13(土)以降の改正特措法施行以降は、過料覚悟で時間外営業を強行する飲食店もあると思います。

TVのワイドショーでは、新橋一揆だのとお上に抗う飲食店主の特集を報道していました。

ただ、同じ感覚で風俗営業許可店で時間外営業を行えば全く次元の違うペナルティを科されます。

どうか風俗営業の事業者にはしっかりと経営判断を行って頂きたいと願います。

やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

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