風営紳士録2.0

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天赦日と一粒万倍日が重なる夜に街は甦るか

新宿区長と夜の街

 

皆さん、こんにちは!

東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

6/19、東京都は接待を伴う飲食店を含めた全ての業種・業態での休業要請を解除しました。当初、ステップ3にも組み込まれていなかった接待飲食店・ライブハウス・ナイトクラブなどは休業要請が継続されることも懸念されましたが、無事に要請が解かれました。

とはいえ、東京都の新規感染者数では予断を許さない状況で、多くの新規感染者を出した新宿・歌舞伎町エリアの接待飲食店らに対し、行政も積極的な取り組みを行っています。


時事ドットコムニュースより

新宿区は風俗営業関係者との対策連絡会を開催し、吉住健一区長「安全で安心できる環境をつくっていく。どうやったら感染拡大を防止できるか情報共有していきたい」と事業者に対し協力を呼びかけました。

 

 

2020年最上の日

 

そのような中での全面解除を受けて最初の週末を迎えました。風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業に携わる皆さんもこの週末から本格再開という方も少なくないと思います。

ところで、本日6/20(土)は「天赦日」と「一粒万倍日」が重なり、非常に縁起が良い日だそうです。

「天赦日」とは、百神が天に昇り、天が万物の罪を赦(ゆる)す日とされ、暦の上で最上の大吉日とされています。

 

「一粒万倍日」とは、一粒の籾(もみ)が稲穂のように万倍にもなって実を結ぶ日という意味で、何事を始めるにも良い日とされます。特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉であると言われるそうですが、他の暦注と重なる場合、一粒万倍日の効果が倍増するそうです。

 

「天赦日」「一粒万倍日」が重なる本日6/20は、全面解除を受けて商売を本格的に再開させるのに相応しい日であると言えるかもしれません。

 

 

水商売とゲン担ぎ

 

そもそも、風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業は、俗称で「水商売」と呼ばれることがあります。

先の見通しがたてづらく、売上・収入が安定しない業種・職業に対し用いられますが、そのような商売人が吉凶などの暦注を重視するのは自然なことかもしれません。

風俗営業などに限らず、芸能人・政治家などの流行り廃りや人気に左右される職業は全て水モノであって、人智を超えたものに拠り所を見出す方も少なくないと言います。

 

そもそも、今回のコロナショック自体が人智を超えたものであり、誰かのせいにできるものでもありません。

そんな不条理に直面し、世間からは袋叩きにあっている夜の街の再始動が、「天赦日」「一粒万倍日」が重なる今日から本格的に始まるわけです。

これは迷信だろうが、何だろうが、前向きに捉えて明るく取り組んで行こうではありませんか。

 

 

不易流行な風俗営業

 

時代の変化が早い現代では、これをやっておけばテッパンの安定商売というのは成立しづらく、全ての商売が水モノ需要化しつつあるとも言えます。

特にコロナのように全産業的にインパクトを与えた後のアフターコロナ・ウィズコロナの時代では、これまでのビジネスモデルが通用しなくなる産業が出てくると言われています。

新規感染者が続いている夜の街での風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業も、アフターコロナの時代にはビジネスのあり方が変わってくるのでしょうか?

接待飲食店では、オンライン化を模索する流れもあるようですし、この外出自粛期間中はインスタやTikTokなどのSNSアプリを使用した顧客離れ防止も積極的に行っていたキャストも多いようです。

一方で、どんなに時代や環境が変化しても変わらないものもあると思います。

ご紹介した「天赦日」「一粒万倍日」などの暦によるゲン担ぎしたくなる人間心理がその好例です。

仕事柄、人々の商売始めに関わることが多いのですが、会社設立や開店などはやはり「大安」に拘る方が少なくありません。

商売ごとに限らずとも、葬儀なら「友引」は避ける、結婚などの祝い事なら「仏滅」ではなく「大安」を希望される方が多いと思います。

そもそも、暦注は迷信的要素が多い為、過去の歴史では朝廷・政府から幾度か禁止されてきたそうです。

にもかかわらず、2020年の現代でも広く社会に根付いています。

科学的合理性からは説明できなくとも人間社会に深く根付いているもの、これこそがもっとも確実な需要につながるヒントになると私は思っています。

 

 

歌舞伎町の名の由来

 

戦後の復興事業として「歌舞伎の演舞場を建設し、これを中核として芸能施設を集め、新東京の最も健全な家庭センターを建設する」とした石川栄耀の都市計画案から名付けられた新宿・歌舞伎町。

財政上の問題から新宿での演舞場は実現せず、その後の歌舞伎座設立で銀座が歌舞伎の街として有名になりました。

ただ、本来の戦国~江戸時代に由来する派手な衣装や一風変わった異形を好み、常軌を逸脱した行動に走る「傾(かぶ)き者」の街としての意味合いは新宿・歌舞伎町にこそ受け継がれていると言えるのではないでしょうか。

当時の「傾(かぶ)き者」迷信めいた暦注によるゲン担ぎ同様に時の幕府・行政により規制されていました。

現代においては日本が世界に誇る伝統文化とされ、歌舞伎役者は一般の芸能人より格上の上流階級然とする向きもありますが、そもそも江戸時代の歌舞伎役者らは伝統的に「河原者」(賎民)として身分上差別されていました

決して「傾(かぶ)き者」自らが「これは文化だ」などと意識高く振る舞える状況だったわけではありません。

ただ、差別はされど、庶民からは絶大な人気があり、かつての遊里で繰り広げられた「傾(かぶ)き踊り」では、当時の最先端楽器である三味線が奏でられ、虎や豹の毛皮を使った豪奢な舞台を若衆・遊女が華麗に舞い、数万人もの見物を集めていたと言います。

OIRAN TAIKENサイトより

暦注を信じる人間心理と同じく、人間社会に根付いた需要・体験価値を与えていたから民衆の心を掴んだのではないでしょうか。

まさにEDMの爆音流れる現代のナイトクラブ、ライブハウス、接待飲食店も当時と同じように、人間社会に根付いた需要・体験価値を与えている産業なのだと私は信じています。

 

第2波が来るかもしれない中での休業要請解除の船出ではありますが、いずれ人類はコロナウイルスを克服するでしょう。

そして、いずれ現代の新宿・歌舞伎町に根付く夜の街の魅力が見直される日だって来るはずです。

天に赦(ゆる)されるべく、一粒の籾(もみ)を万倍の稲穂として実らせ、頭を垂れ謙虚に生きる人間を目指し、私も今日からまた取り組んで参ります。

やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

 

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