インフルエンサーの呟きに夏の終わりを知る
夏の終わりを知る週末
皆さん、こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。
夏ももうすぐ終わりですね。
朝夕は、すっかり涼しくなってきました。
週末は全国各地で夏の終わりを惜しむかのように花火が夜空を美しく彩っていました。
APEXしてた時にドンドン凄い音が聴こえてきて、ヘッドホン越しだと隣人から壁ドンされたのかと思ったけど、淀川花火の音やった🎇わ
友達が飛行機乗ってたタイミングで見れたらしい!!その動画🥺 pic.twitter.com/uoFKW7kbQf
— ねぶそく (@nebusoku_uq) August 27, 2022
この週末に夏の終わりが到来したのは経済界でも同じです。
6月下旬から堅調に戻していた米国株式市場に夏の終わりが告げられました。
告げたのは経済界のインフルエンサー・米国FRBのパウエル議長です。
🇺🇸9分の会見で株式クラッシュ
パウエル議長の会見の動画です。この9分を受けて、本日株式市場はクラッシュしました。https://t.co/LI42tosq7s
— Tomo (@tomo_hedge) August 26, 2022
米国YouTuberや中国KOLなど、消費行動に影響を与える人は数多あれど、世界経済へのインフルエンサーとしてトップに君臨しているのは米国FRB議長です。
FRBの役割は物価の安定や雇用の最大化ですが、金融政策としての金利調整を通じ、米国だけなく世界経済全体に凄まじい影響力を及ぼしています。
来たるべき次回の利上げ数値を具体的に示していないにも関わらず、パウエル議長の呟きのニュアンスを読み取ったマーケットは夏をあきらめました。
パウエル・ショック:米国株が急落(US stocks tumble more than 3% after Powell stands firm on rate rises: FT)https://t.co/5ewe7G7lPc
①ナスダックは4%近く下落。
②ドル相場は対円で137円台後半、対ユーロで1㌦割れ。
③米長期金利は上昇後、最後は3.05%台。
――タカ派姿勢に①②③の順に反応。 pic.twitter.com/BB7gkAJCZs— 滝田洋一(日本経済新聞) (@yoichitakita) August 26, 2022
風俗営業へのコメント
インフルエンサーから冷や水を浴びせられたのは「夜の街」風俗営業でも同じです。
発端はこちらの事件でした。
【速報】
香川照之の性加害で被害者がPTSDに 下着を剥ぎ取り、胸部を直に触り…やりたい放題セクハラ香川照之が2019年、銀座のクラブでホステスに対して胸部を触る、キスをするなどの性加害に及び、被害女性がPTSDを患っていたことが判明した。#香川照之 #週刊新潮
— 週刊新潮 (@shukan_shincho) August 23, 2022
記事の内容が事実だとすればセクハラというレベルではなく、強制わいせつ致傷事件とも言えそうな内容です。
この事件に対するインフルエンサー・ひろゆき氏のコメントが炎上していました。
海外向けのメディアでも報じられているようです。
キャバクラなど風俗は、性的被害や嫌な思いをする事で高い給料が貰える仕事です。
セクハラが嫌なら風俗で働くべきではないです。
「他の仕事が出来ないので選択肢が無い」という人は生活保護をどうぞ。
「キャバクラで働いても性的な被害を受けない」というのは嘘です。https://t.co/Aa5uWW5P4g
— ひろゆき (@hirox246) August 27, 2022
In the wake of a sexual harassment scandal, 4chan owner Hiroyuki Nishimura has been criticized for saying that women who work at bars as hostesses receive high pay in exchange for tolerating sexual violence. https://t.co/SOPw76JlQd
— The Japan Times (@japantimes) August 29, 2022
「僕、風俗って基本働くべきでないと思うんですよ」
ガーン、来ました直球火の玉ストレート!
でも、実はこれは国の考えに近いものでもあります。
あくまで性風俗に限定していますが、国もひろゆき氏と同じように「基本働くべきでない」と思っています。
風俗とフーゾクは別物
本件ではポイントではないと思いますが、法律的な建てつけの観点から風俗営業専門行政書士として補足させてください。
ひろゆき氏がコメントされている「風俗」(フーゾク)とは、風営法上の性風俗関連特殊営業(風営法2条5項)にあたるもので、本件事件が発生したのは接待飲食店(風営法2条1項一号)と思われます。
法律上はあくまでフーゾク(性風俗店)と風俗(接待飲食店)は別の営業類型で、合法の接待飲食店に関してはひろゆき氏の言う「そういうところ」ではありません。
実際の事件現場となった店舗の営業実態は分かりませんが、報道にある銀座の高級クラブなら接待飲食店と考えて間違いないと思います。
風営法上は、「客と身体を密着させたり、手を握る」くらいなら「接待」として通りますが、報道にあるようなそれ以上の身体接触は「性的好奇心に応じて」行われるものとして「接待」とは認められません。
俗に言うセクキャバサービスは、接待飲食店であるクラブやキャバクラでは違法サービスとして許可されません。
おそらくはひろゆき氏はこうした営業を想定しているのでしょうから、「違法営業店ってそういうところでしょう?」と解釈すれば分からなくもありません。
違法セクキャバ店は、そもそも営業自体が違法行為ですから、問題が起こっても適切な対処がなされないというのはひろゆき氏の仰る通りだと思います。
私も違法営業店では働くべきではないと思います。
炎上転じて福となす夏
ひろゆき氏のコメントに対しては、その後も様々な意見が交わされています。
性暴力の加害者に対して「やめろ」と啓蒙するのではなく、被害者の職業選択に責任を回収してるところが典型的な二次被害。
性暴力は犯罪であり人権侵害ですよ。職業によりリスクが高まるのは事実ですが、「自業自得」な人権侵害なんて無い。 https://t.co/qlxdzh8Bei
— Teppei Kasai (@TeppeiKasai) August 28, 2022
「グレーのものを白にしよう」と考えている人には、ひろゆきさんのツイートはfuckin’だったと思うけど、ひろゆきさんは「そのグレーは限りなく黒に近いから逃げたほうがいいよ」と言っているのだと思う。
「被害に遭う人が減るといいよね」という意味では、両者とも共通してると思うんだけどな。
— 乙武洋匡 (@h_ototake) August 29, 2022
私も含めて「夜の街」風俗営業の業界当事者は色々と思うところがあるでしょうが、違法営業の問題に光が当てられたことは良いことだと思います。
なお、事件から既に3年が経過し、加害者側の謝罪会見では被害者との示談も成立しているにも関わらず、週刊誌報道された裏には事件当事者しか知り得ない何かがあったのではないでしょうか。
こうした当事者しか知り得ないことは別にして、今回ひろゆき氏が炎上させたことで、少なくとも無許可の違法営業店で働くことへの警鐘にはなったと思います。
正直、こうした業界の闇に光をあてるのはその業界の人間では限界があります。
ひろゆき氏が言及した通り、深夜の時間外営業の発覚を恐れて緊急救護義務を放棄した事案もあります。
テキーラ一気飲みで女性が死んだ店も女性のブラジャーを剥ぎ取った店も警察の手入れが入りませんでした。
日本では慣習により問題ないとみなされるので店の責任追求は起きませんヨハネスブルクで高級時計を着けて出歩くなら自己責任です。襲われても守ってもらえない場所で被害に遭うのは自業自得。 https://t.co/s1R1nYSYQf
— ひろゆき (@hirox246) August 29, 2022
なお、この事件で関わっていた関係者はしっかりと事実を認めて謝罪されています。
200RT 《恵比寿テキーラ20歳女性急死》「A子さんは段ボール箱に頭を突っ込んで……」NewsPicks系“天才起業家”「一気飲みチャレンジ」の真相 #文春オンラインhttps://t.co/EDhXndT3H5
— 文春オンライン (@bunshun_online) December 12, 2020
恵比寿の飲食店における件についてhttps://t.co/Txvn3SLEQO
— Yusuke Mitsumoto 光本勇介 (@Yusuke_Tokyo) December 12, 2020
なお、私が常連客であった事からも店舗側から女性に飲むように要請があった可能性や、その場の断れない雰囲気についても考えるべきでした。重ねて申し訳ございません。
— Yusuke Mitsumoto 光本勇介 (@Yusuke_Tokyo) December 12, 2020
この関係者は社会的にも立場のある方でしたが、下手に謝ると相手の要求がエスカレートして厄介になるなどと自分を守るための言い訳をしませんでした。
もちろん、亡くなった方は戻って来ませんが、同じような悲劇を繰り返さないためにも貴重な教訓となります。
しっかりと営業許可を取り、正々堂々と営業することがこうしたリスクへの一番の危機管理となります。
順法優良な風俗営業店では、キャストも従業員も誇りをもって働けます。
風俗営業はじめ飲食・娯楽サービス業に携わる事業者の皆さんにはこうした労働環境を提供して頂きたいと願っています。
やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!
それでは、また!
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