風営紳士録2.0

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風俗営業許可取得後に内装変更等を行う際に必要となる手続き

風俗営業での内装変更

 

「変更承認申請」という言葉を皆さんはご存じでしょうか? これは、風俗営業の許可取得後に店舗の大改造をする場合や、パチンコ店の機械の入れ換えをする場合などに必要な手続きのことです。

 

一方、マージャン店の卓の配置換えや増減、ゲームセンターのゲーム機の変更、法人名や店名の変更、役員や管理者の交代など比較的に軽微な変更の場合には「変更届」という手続きをします。

 

同じ変更の手続きであっても、「変更承認申請」と「変更届」とでは大きな違いがあります。

 

前者は、変更の前にあらかじめ「変更承認申請書」を警察署に提出して検査を受け、公安委員会の承認を受けなければなりません。

 

それに対して後者は、変更後の一定期間内に公安委員会に届け出ればいいことになっており、風俗環境浄化協会や警察署の検査はありません。

 

つまり、「変更承認申請」は、構造関係など許可要件上の重要な部分の変更にかかわる手続きであり、許可の概念に近いものになっているわけです。

 

風俗営業の許可の内容には、営業所・客室・調理室など構造に関するものがあり、それらの大規模改造、つまり面積が変わってしまうような改造の場合には、あらかじめ申請をし、構造変更の内容が風俗営業の許可要件に適合しているかどうかを検査してもらい、承認を受け、それから改造の工事に取りかかることになります。

 

営業を優先して急いで店内改装をし、後で警察署に届け出て担当者に叱られ、店舗の現場回復を命じられたという事例もあります。

 

「そんなことは知らなかった」では済まされません。許可の申請時や、法定の管理者講習会ではちゃんと説明されているからです。

 

「変更承認申請書」には、改装前と改装後の図面を添付し、客室面積や設備の配置が改装前後でどのように異なるかを新・旧対照表で説明しなければなりません。

 

私の事務所では、火災後に店舗の大改装をしたパチンコ店や、バーの営業形態を変更してショーのためのステージを設置する構造変更、また外国人のショーをやるクラブでタレントの控え室を広げる工事など、この「変更承認申請」をたびたび手がけています。

 

風俗営業の場合、営業を向上させるための店舗改装をするには、適切・適法な内容の工事と申請が必要になります。

 

パチンコ出店判断の厳しさ

 

事務所へ向かうある日の朝、交差点をノンストップで通り過ぎる何台もの消防自動車が向う先は、繁華街。

 

「朝からボヤ騒ぎかしら?  消防署員も大変だなー…」。

 

大都会の繁華街では、そんなことは日常茶飯事です。

 

昨日、店の中で暴力団員3人が拳銃で殺傷されたばかりなのに、それが遠い過去のできごとでもあるかのように、その喫茶店内で無表情にコーヒーを注文する客と、平然と対応する従業員。善し悪しは別にして、それが新宿や池袋といった繁華街の日常です。

 

いつものように申請用の図面を作成していると、顧問先のパチンコ店から電話があり、「今朝の火事騒ぎは、うちの店だった」とのこと。

 

開店前の準備で従業員が電気のスイッチを入れて間もなく、どこからともなく煙が発生して、瞬く間に店内に煙が充満。幸い建物全体に火が回ったわけではないので、建物の建て換えまでには至らなかったものの、プラスチック材料を多く使った店内は焼けただれ、しかも水浸しという全焼状態になってしまいました。

 

電話をくれた店長の用件は、「今後の対応について今夕、会議を開くので、ぜひ出席してください」というものでした。

 

時間通りに指定された会議室へいくと、すでに会議は始まっていて、設計事務所、建設会社、設備・内装業者、それにパチンコ機メーカー、両替機メーカーなど、各社2~3人ずつの担当者が集まり、パチンコ店の営業部長の話に耳を傾けていました。

 

私が着席するのを待ちきれないように、部長は「先生、連休前の○月○日に開店するには、何日に許可申請をしたらいいでしょうか?」と、いきなり先制パンチ! 「えっ、今朝火事になったばかりなのに…」と思わず出そうになる言葉を飲み込みます。

 

今度のような火災に伴う大規模改装をする場合の「変更承認申請」の手続きについて説明し、オープンの予定からさかのぼって許可前の検査日を予想し、そこからまたさかのぼった申請日の設定についてお話ししました。

 

すると、部長は集まった業者に向って、「皆さん、先生のお話が分かりましたね。検査日の○月○日までにすべて完成させてください!」。

 

「質問は?」と言う部長に、「日数が少なすぎる」と一部業者の声。それに対して部長が「できない人は帰ってください。徹夜すれば、できるよね!」と有無を言わせない強気な発言。それにしても、連休まで2カ月もないのに…。

 

無理をゴリ押しするのが、P 店の世界です。

 

 

パチンコ業界の仕事の進め方

 

 

火災があった、まさにその当日、焼けただれて水浸しになってしまった店内に実況検分の消防署員や警察官が立ち入っている最中、その傍らで新規開店の会議が開かれるというのも、驚きではありますが、一つの現実です。

 

金曜日の朝に起きたパチンコ店の出火でしたが、会社の方針は、すぐにでも構造変更の申請――「変更承認申請」をして新規開店をするという勢いです。

 

全焼した店内の設計、内装業者などの選定、工事の見積・発注、パチンコ機の選定・発注となれば、1日や2日でできるものではありません。

 

その前に焼けてしまった店舗の解体工事もあります。しかも、翌週の月曜日以降になる損害保険会社の査定が済むまで、火災現場には手が付けられないときています。

 

細かいことですが、パチンコ機の店名入りのたまや、スロットマシンの店名入りメダルの発注もあります。

 

ちょうど中国ではオリンピック開催へ向けての建設ラッシュが起こっていて、鉄鋼や金属の需要が拡大し、そのあおりで日本国内の金属も不足していました。そんな金属の需要問題が、パチンコ玉やメダルにまで影響を及ぼしていました。

 

3月半ばの火災――解体工事・設計施工・機械の搬入――4月半ばの許可申請――風俗環境浄化協会・警察署の検査――そして、ゴールデンウィーク前の許可……と、終わってみれば、驚異のスケジュール。

 

火災が起きてからわずか1カ月半で新規開店ができるなんて、周囲の同業パチンコ店からは驚きの声があがるばかりか、警察との癒着まで噂される始末。

 

あまりの段取りのよさに、「計画的な火災じゃないの?」「保険金で店が新しくなったね」と陰口も聞こえてきます。

 

よくいえば、パチンコ店幹部の段取りのよさ、的確な指示。悪くいえば、無理難題を押し通すアクの強さ……とにかく気迫と押しがものをいう世界なのかもしれません。

 

すべてのパチンコ店経営者のスタンスとはいいませんが、若いパチンコ店経営者の中には札(お金)で業者の頬をひっぱたくような感覚の人がいます。

 

軍隊調の規律を作り、従業員には常に怒鳴りまくり、絶対服従を強いて、自分以外は信じないというような経営者……。

 

確かに経営にはシビアな金銭感覚が必要かもしれません。しかし、それがすべてというような考え方には、いささか疑問を感じざるを得ませんね

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