風営紳士録2.0

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なぜハンコは無くならないか?

2019年という時代

 

こんにちは!東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

本日から11月。既に今年も残り2か月を切りました。今年は新元号となる節目の年となりました。後世の歴史家が振り返った時、2019年はどのような時代だったと評価するでしょうか。

時代を評論する際にはさまざまな切り口があると思いますが、テクノロジーの見地から2019年を「AI時代」として位置付けて何回かに分けて考察を行ってみたいと思います。

もっとも、私は官公署に対する許認可申請の代理を生業とする行政書士であって、テクノロジーの技術的知識は全くありません。それでも、なぜこのテーマで考えてみたいかと

いうと、新聞紙面を賑わすだけでなく、私が携わっている行政書士や税理士などの士業業界をはじめ、多くの産業において劇的な変革を起こしているのが「AI」をはじめとしたテクノロジーの進化だからです。

士業業界のITリテラシー

 

先にお断りしておくと、行政書士業界はテクノロジーともっとも縁遠く、テクノロジーに疎い業界の一つであると言えると思います。

同業者で組織される団体での連絡はFAXが基本です。この2019年の時代にFAXです。民間では信じられないかもしれませんが、これは行政書士会に限らず、税理士会なども含めて、士業業界ではローテクでのコミュニケーションを温存する傾向があります。所属団体の研修申し込みや連絡などはFAXでやるのがスタンダードになっています。

一番の理由は、やはり構成員が高齢であることでしょうか。年齢を重ねると、どうしてもテクノロジーには疎くなるものです。メール・チャットではなく電話・FAXでというのが、幅広い年齢層に安心して案内できることが大きな理由になっているのかもしれません。

他方で我々のステークホルダーである官公署での電子化が遅れていることも大きな理由となっています。

行政書士の基幹業務である建設・風営・入管などで完全に電子化されているものは一つもありません。例えば、外国人の在留資格を審査する入管では訪問予約もFAXで行い、予約なしで訪問しようとすれば早朝から前乗りしたり、待ち時間で停滞が発生するなどして、生産性の低い仕事をしている場合も少なくありません。

入管は外国人に対する許可であり、特殊な事情もあると思いますが、多くの許認可の現場ではこのような非生産的な事態が改善されずに維持されています。

なぜでしょうか?

民間企業と違って、この非生産的な状態こそが行政書士にとって価値を生み出す源泉にもなっているからです。

許可を取るためにあちこちの役所を回って書類を取り寄せて、受付待ちで何時間も過ごすことは、通常の営利企業であれば価値を生まない無くすべき対象です。

ただ、その非生産的で面倒な作業をお金に変換させているのが行政書士などの専門家です。

面倒に思われることを引き受けているからこそ商売として成り立っているのが実情です。

したがって、合理化や電子化といった生産性向上は、従来の行政書士の仕事を奪うものでもあり、古いタイプの専門家には敬遠・警戒している面もあります。

2019年のラッダイト運動

 

19世紀のイギリスではラッダイト運動と呼ばれる労働者の機械打ちこわし運動が勃発しました。産業革命により生産現場での機械化が進んだことで、仕事を奪われてしまった手工業者・労働者が工場の機械を叩き壊して回った運動です。

遠い日に歴史の教科書で学んだ記憶がありますが、実はまったく同じことが現在も行われています。

2019年9月11日に内閣改造でIT担当となった竹本直一大臣は、その就任会見でこのよなことを発言し、物議をかもしました。

「印鑑とデジタル化は対立ではなく、共栄のため知恵をしぼる」

 

一般の方は何を言っているのか分からないかもしれません。

これは印鑑などのハンコ業界が電子化・IT化で社会需要がなくなることを恐れ、竹本大臣にロビー活動を行ったための発言と言われています。実際に竹本大臣は「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(はんこ議連)の会長を務めているため、後援団体を意識しての発言であったことは間違いないと思います。

それにしても、テクノロジーを取り入れ生産性の向上を目指すはずのIT担当大臣の就任会見こそが、現代のラッダイト運動のひとつの表れではないでしょうか。

もちろん、文化としての印鑑は素晴らしいもので後世に残すべきものかもしれませんが、一般の国民が社会生活を送るうえで、会社設立はもちろん、銀行口座を開くにも何でも印鑑が必要になるというのは非生産的で、経済負担にもなり煩わしいというのが本音ではないでしょうか。

ハンコ業界がデジタル化に猛反発するのは当然ですが、同じようなことはどの業界にもあることでもあります。

どちらかというと、行政書士はラッダイト運動を起こす側であり、テクノロジーによる合理化に反発する側として位置付けられていますが、私としてはテクノロジーの大波を乗りこなして新しいニーズに応え続けることこそがこれからの「AI時代」の生き残るヒントだと思っています。

よく「AI時代に無くなる仕事は何か?」の議論が交わされますが、その答えは「AIに訊けばよい!」と言えるのが人間の知性であり、感性です(笑)

竹本大臣ではないですが、「士業とデジタル化は対立ではない」を信条に、何回かに分けた連載で個別のデジタルテクノロジーにフォーカスを当てながら、風俗営業はじめ飲食・娯楽サービス業の生産性向上をシリーズで考えていきたいと思います。

それでは、また!

 

 

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