風営紳士録2.0

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IRカジノ・風営法改正の主導役に有罪判決

「狂気の夏」の終わり

 

皆さん、こんにちは!

東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

東京オリンピック・パラリンピックが終わりました。

今年の夏も終わりましたね。

「人類がコロナに打ち勝った証」の名の下に開催された東京2020大会でしたが、大会期間中の新規感染者数は爆発的に激増してしまいました。

社会経済活動とコロナ対策の両立を目指していた菅首相ですが、この秋での退陣を表明していたせいか閉会式での憔悴しきった表情が印象的でした。

思えば、安倍前首相の体調不良から急遽登板した菅首相は、就任直後こそ高い支持率に支えられていましたが、昨年末の新規感染者数のリバウンドからは支持率は下降の一途を辿るばかりでした。

コロナ対策を最優先に掲げる菅首相にとっては、東京2020大会の開催こそが自身の存在証明だったのかも知れません。

権謀術数が繰り広げられる自民党総裁選から降りたことで、憑物が落ちたかのように一人の素朴な東北人に戻ったかのようです。

何はともあれ、1年間お疲れ様でした。「狂気の夏」が終わった後は、「食欲の秋」で楽しみながらゆっくり静養してください。

 

 

秋元司の終わらない夏

 

菅首相が権力闘争の戦いを終えようとしているのとは対照的に、ここで負けてたまるか、まだ戦いの夏は終わらないぜとばかりに燃えている男がいます。

東京地裁の言を借りるなら「公人としての倫理観はおろか、この種の犯罪に関する最低限の順法精神もない男」秋元司、其の人です。

本ブログでは秋元被告のことをたびたび取り上げて来ました。

参考【ナイトタイムエコノミー議連の秋元司事務所にガサ入れ】

参考【風営法改正の主導役逮捕!特捜部からクルシミマスプレゼント】

 

秋元被告というとIRカジノ汚職事件で有名ですが、風営法業界では2016年に施行された改正風営法成立への立役者として有名です。

2016年の風営法改正では、クラブ・ディスコが「特定遊興飲食店営業」として規定され、ダンスクラブの深夜営業が認められるようになりました。

2012年の大阪のクラブNOONでの摘発以降、旧風営法によるダンス営業規制への法改正の声を国会議員の立場で受け止めていたのが秋元被告でした。

2015年に改正風営法を成立させると、さらに勢いを増し、翌2016年12月には「統合型リゾート整備推進法案」(カジノ法)を強行採決させました。

2017年には、国土交通副大臣兼内閣府副大臣(IR担当)等に任命と、まさに飛ぶ鳥落とす勢いでした。

2019年12月、東京地検特捜部は秋元事務所の家宅捜索を行い、同年12月25日のクリスマスに収賄罪の容疑で特捜部に逮捕されました。

2019年の逮捕されるクリスマスの朝、マスコミの電話取材に対し、秋元被告は激しい口調で以下のように怒りをあらわにしていました。


「はした金はもらわねえよ。あり得ねえよ。ほんとばかたれ」
「1億、2億なら別だが俺は正面から堂々ともらうんだから」
「地検ははしゃぎすぎだ。こんなことで身柄拘束しやがって。徹底して戦ってくるわ」

そして、本日2021年9月7日、東京地裁は秋元被告に対し、懲役4年・追徴金758万円の判決を言い渡しました。

判決後は秋元被告は、弁護人を通じて「到底納得できない判決で強い怒りを覚える。来たるべき衆院選に立候補する考えに変わりない」とのコメントしたそうです。

 

 

IRカジノが争点化か

 

判決が出る前から秋元被告は、「有罪判決が出ても最高裁まで争う」と言っていましたから、控訴することは予想していましたが、有罪判決が出ても衆院選に立候補するというのは正直驚きました。

一緒にしたら申し訳ありませんが、菅首相にとっての東京2020大会開催と同じように、秋元被告にとっては選挙こそが自らの存在証明なのかも知れません。

有罪判決が確定すると公民権停止となり立候補できませんから、衆院選に出馬する為だけに控訴しているように私には感じられます。

ここまでくると、司法手続きでの判決ではなく、選挙という民主主義による審判によってでしか事実を受け入れることができない心理状態になっているのかも知れません。

今回の秋元被告の収賄事件に関しては、実は陰謀論ではないか、秋元被告は嵌められたのではないか、という声も囁かれていました。

「IR担当副大臣の手元には実質的な職務権限があまりなかったのは業界内では常識」
「秋元容疑者に数百万円を渡してもIR参入が有利になる可能性は極めて低い」
「カジノ業界的には非常に不可解な事件」といった具合です。

なるほど、事の真相はどうなのかは分かりません。

なかには、秋元被告の弁護士に「無罪請負人」の弘中惇一郎氏が就任しただけで、「これまでいろいろ言ってきた関係者は覚悟しておけ」とばかりに興奮してツイートしていた方もいらっしゃいました。

カミソリ弁護士の異名をもつ弘中氏ですが、ゴーン事件以降、切れ味はイマイチなようです。

第一審では、「贈賄側の証言は、携帯電話のメッセージなどの客観的な証拠からも信用できる」などとして、議員会館で渡された現金300万円や、そのほかの利益供与はいずれも賄賂に当たると判断されました。

この判決に対し、陰謀論を主張していた方はほとんど反応を示していなかったのが個人的には印象的でした。

そもそも、秋元被告を擁護していた方には大きく3種類いると思っています。

  1. 秋元司という人間を信用し、或いは義理を感じ、信念をもって本気で支援しているタイプ
  2. 秋元司のことなどどうでもよく、単に風営・IRなどの産業的立場から支援しているタイプ
  3. ワンチャン無罪判決が出たときに、自分は昔からそう予想していたとドヤりたがるタイプ

個人的にはワンチャン狙いの自己RT好きの自己満ドヤりタイプが安っぽい陰謀論に傾倒しているなという印象をもっています。

ごく一般的な感覚からすれば、検察が主張したように「IR事業整備への公正さや社会の信頼を著しく失墜させた」というだけで十分であり、国民の処罰感情は大きいと言わざる得ないのではないでしょうか。

そもそも、被告人本人である秋元被告が最後まで無罪を主張するのは分かりますし、それは被告人の権利でもあります。

刑事裁判では立証の責任を負っているのは検察側であって、被告人自らは無罪を証明する必要はありません。

ただ、被告人でない者、とくにIRカジノに関係する産業側の関係者が今回の裁判に対し陰謀論を展開しているのを見るたびに、「要するに自分の飯種であるIRを潰されたくないだけで、陰謀論というより単なるポジショントークだろ?」と勘繰っていました。

まあ、それも仕方ありませんよね。

自民党総裁選が盛り上がりを見せてきたことですっかり存在感が薄まってしまった野党はさっそく本件を扱っていましたから。

このまま本当に秋元被告が衆院選に出馬したら、それこそIRカジノがネガティブな意味での争点になりそうです。

横浜市長選の小此木氏のように、ミイラ取りがミイラになってしまわないよう、ここはしっかりと志帥会(秋元被告は現在も二階派特別会員)にケツ拭いてもらいたいところです。

【参考】秋元司被告が役職を務めるの議員連盟
サービス産業振興議員連盟(事務局長)
ダンス文化推進議員連盟(事務局長)
IR議連(副幹事長)

 

 

意外性が魅力の源泉

 

次回、本ブログを更新するときは新しい自民党総裁が決まっていると思います。

記念すべき第100代内閣総理大臣は誰になるのでしょうか。

ネットでは自民党総裁選の票読み予想が盛り上がっています。

刻々と情勢が変化しているようですが、こうしたネットやSNSでは高市早苗候補がかなりの人気を博しています。

ただ、地上波などのマスメディアでは当選確率の低い泡沫扱いとなっています。

このギャップはなんなんでしょうかね?

まさかこれも陰謀論とか、情報操作なんですかね(笑)

ネットで見かける識者はポジショントークではなく、本気で高市氏を推しているようにも思えますが、真相は分かりません。

ちなみに、私は高市氏の政策は全く知りませんが、こちらの画像を見て意外性を感じ好感を持ちました。

あの年代の女性でKawasakiに乗っていたなんて、その筋の方々には下手な政策よりシグナリング効果を発揮しますね(笑)

こうした意外性に人間の魅力を感じることは少なくありません。

今月9月の日経新聞『私の履歴書』はファッションデザイナーの山本耀司さんです。

人気ブランド・ヨウジ ヤマモトを展開する世界的トップデザイナーですが、連載では山本耀司さんの意外な一面が知れてとても面白いです。

 

歌舞伎町コマ劇場のはす向かいにあった洋装店を営む母親に女手一つで育てられた山本耀司さん。

慶應出のインテリと思われがちですが、歌舞伎町のど真ん中に生きた幼少時代は意外性に満ちています。

ここ歌舞伎町を学区域とする地元の小学校・新宿区立大久保小学校出身で、現在の新宿区の吉住健一区長は小学校の後輩にあたりますね。

ちなみに、私やたべの娘も大久保小学校出身でお二人の後輩です(要らない情報でした笑)

こうした才能あふれる方々を生み出す新宿・歌舞伎町。

コロナでテンション上がらない日もありますが、今日も愛する地元・歌舞伎町を風俗営業専門行政書士は駆け回っています。

やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

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30年以上前の深夜番組『イカ天』最後期に登場したBLANKEY JET CITY
バラエティに似合わない3本のナイフは意外性に満ち緊張感がありました
番組を観た山本耀司さんがパリコレのモデルに起用したことでも有名です

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