風営紳士録2.0

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風俗営業がガイドラインを守ることの功罪

ガイドラインの発表

 

皆さん、こんにちは!

東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

東京都は感染拡大に警戒を呼びかける「東京アラート」の解除を行い、12日午前0時から休業要請がステップ3に進められました。


東京新聞サイトより

また、19日からはステップ無しの業種・業態も含めて全面解除を予定している旨の発表もありました。

そんな中、全面解除に向けて夜の街の3密代表業種向けの政府ガイドラインが発表されました。

 

動画内の説明でもある通り、このガイドラインは3業種の業界団体が自主的に作成したガイドラインをベースに専門家の意見を反映させて完成させたものということです。

念のため、対象となる3業種の風営法上の営業許可分類と代表となった業界団体名も紹介しておきます。

 

【ガイドライン対象となる3業種の主たる営業許可】

1.接待を伴う飲食店(風営法1号営業許可等)
2.ライブハウス(特定遊興飲食店営業許可等)
3.ナイトクラブ(特定遊興飲食店営業許可等)

 

【ガイドライン作成に関与した業界団体】業種別一覧参照

1.接待を伴う飲食店
全国社交飲食業生活衛生同業組合連合会

2.ライブハウス
一般社団法人 ライブハウスコミッション
NPO法人 日本ライブハウス協会
飲食を主体とするライブスペース運営協議会
日本音楽会場協会

3.ナイトクラブ
一般社団法人 ナイトクラブエンターテイメント協会
西日本クラブ協会
ミュージックバー協会

 

 

ガイドラインの内容

 

各業種ごとのガイドライン内容は、今後Yahoo!トップページのリンクから確認できるようになるそうです。

 

【3業種共通の防止策】

■客、関係者の連絡先確認、一定期間保存
■対人距離の確保や人数の制限(できれば2m、最低1m)
■テーブルやカウンター席にアクリル板やビニールカーテン等の設置
■客、従業員ともにマスクやフェイスシールド着用
■店内の換気や消毒の徹底
■入店時の検温など体調チェック、体調不良者の入店拒否

 

【接待飲食店の防止策】

■利用客の横に着いて一緒にカラオケやダンス等を行うなどの接客は、当面の間自粛
■利用客の近距離で行うライブ、ダンス、ショー等は当面の間自粛
■利用客同士のお酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けるよう注意喚起

 

【ライブハウスの防止策】

■出演者(演奏者・歌唱者等)と観客との距離は、まるべく2m確保
■できない場合は、飛沫が拡散しない対応(発生部分を中心に透明の遮断物を設ける等)の実施
■オンラインチケットの販売やキャッシュレス決済の推奨
■ライブ前後及び休憩中に、人が滞留しないよう段階的な会場入り等の工夫

 

【ナイトクラブの防止策】

■過度な大きさ・頻度の声出しの禁止を促す
■飛沫の過度な拡散を制御するため店内の音量を必要最小限に調整
■多くの人を集めるイベントは、当面、中止又は延期

 

 

ガイドラインの功罪

【非現実的と嘆く前に】

既に多くのメディアでもガイドラインが紹介されていると思いますが、実際の風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業に携わっている現場の方々からは本ガイドラインに対して否定的な意見もあるようです。

キャストと2m離れたキャバクラ音量を最小限に抑えたクラブなど、現実味の乏しさを通り越してある種のシュールな笑いを感じてしまいましたが(失礼)、風俗営業に限らず他の施設でも同様の不条理に直面しているようです。

沖縄のがらまんホールのFBより
「総座席数の15%で満員になってしまう」

もう、どうせ協力要請なんだし守らなくたって関係ない、と考えるのも無理もありませんが、ここでは敢えてガイドラインを守ることの功罪、すなわちガイドラインを守ることのメリット・デメリットをお伝えしておこうと思います。

ガイドラインに協力しないとしても、ガイドラインを守った場合のメリット・デメリットを理解したうえで合理的に判断してもらいたいからです。

もちろん、これは私が個人的に事業者にとってメリット・デメリットなるだろうと考えることですから、最終的には事業者として判断する際の材料として参考にしていただける程度で構いません。

 

【守ることのメリット】

■最大100万円の補助金※が貰える(風俗営業ではレア)
■感染発覚時の危機管理・説明責任の担保となる
■都から推奨して貰うことで集客につながる(推測)
■都から推奨して貰うことがクラウドファンディングなどでの差別化訴求となる(推測)

【守ることのデメリット】

■稼働率が下がる
■客離れする可能性
■自店舗だけ順守しても損する

 

メリットの※補助金について

■50万円を上限に定額10/10補助されるもの

<事業再開枠>業種別ガイドラインに基づく、以下の感染対策費
消毒、マスク、清掃、飛沫防止対策(アクリル板・透明ビニールシート等)、換気設備、その他衛生管理(クリーニング、使い捨てアメニティ用品、体温計、サーモカメラ、キーレスシステム等)、掲示・アナウンス(従業員又は顧客に感染防止を呼びかけるもの)
※風営法上の客室構造の変更にあたらないか十分注意して下さい!

 

■50万円を上限に2/3もしくは3/4まで補助される具体例

<接待飲食店>
オンライン接客のための設備費・広告宣伝費

<ライブハウス>
無観客ライブ(ネット配信)実施のための設備費

 

 

理想と現実の狭間で

 

韓国のナイトクラブでのクラスター発生事件の影響か、風俗営業でも来客者の個人情報の管理がガイドラインに盛り込まれました。これはあくまでガイドラインなので、法律的義務を伴うものではありませんが、個人的にはこれが一番鬼門となるように思います。

感染すること自体は、ある意味不可抗力で発生することであり、どんなに感染予防しても防ぎきれない部分もあると思いますが、感染者の経路特定のための施策については、店舗側の取り組み如何によってかなり差が生ずることになるでしょう。

自粛に反対し、経済優先強硬派として風営法改正や夜の街のロックダウンを主張する識者には、風俗営業の来客者情報管理を義務化させるべきとする意見もあるようです。

韓国のナイトクラブが同性愛者向けイベントであったことからも分かる通り、個人情報が知られるのであれば風俗営業に来店するお客さんへの心理的萎縮効果も働きますし、店舗事業者の徴税逃れも防止できそうですね。

なるほど、感染予防としては一見すると有効な策の様に思えますが、夜の街・歌舞伎町の現場を知る者からすると政策としての効果には限界があるように思えます。

実はマスメディアではほとんど報道されていませんが、「東京アラート」が発動された6月上旬は歌舞伎町の夜の街関係者が一斉に外出自粛していたことをご存知ですか?

小池都知事が言及したものとは別にもうひとつの見回り隊が出動していたからです。

スカウト・キャッチはそもそも法令違反行為ですが、そうと分かって受け入れているのが風俗営業店舗です。

そして、スカウト・キャッチの面談は風俗営業店舗ではなく、新宿駅周辺の喫茶店で行われているのが通常です。

感染経路として、夜の街の風俗営業店舗だけをロックダウンさせれば新規感染を封じ込めることができるというのは、実際の街を知る人間からは何とも数値だけの机上の空論であって実効性に乏しいと受け止められかねません。

そもそも、法令で規制したところで効果が限定的な世界だってあるのです。

風俗営業事業者に法令順守の大切さを伝える本ブログには馴染みませんから詳細な説明は避けますが、夜の街に限らず、人間社会では法律やガイドラインなどとは隔絶し、独自ルールだけで生きている人々が厳然と存在するというのも偽らざる事実です。

今回のガイドライン策定に関わった業界団体代表者の中にも、かつてみかじめ料を収めながら店舗を経営していた者だっているはずです。

 

 

こうした夜の街の清濁人間の業を考え併せても、それでも今回のガイドラインに対する事業者の取り組みは、これからの風俗営業の未来を切り拓く大切な一歩となるものはずです。

どんなに暗い闇の中と思えても必ずまた陽は差します!

希望をもって前向きに進みましょう!!

やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

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