風営紳士録2.0

ナイトタイムエコノミーから警察の取締りや法令改正情報まで、風俗営業の最新情報を発信中です!

それは一般に失敗といいます発言

リアル朝ドラ『舞いあがれ!』

 

皆さん、こんにちは!

東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ!』をご存知ですか。

東大阪のネジ工場を舞台に、泥臭くも、未来を信じて情熱を燃やす製造業の夢物語です。

事業承継やオープンイノベーションなど、経産省が示す中小企業政策が散りばめられています。

このドラマさながらのバネ製造会社がありましたが、残念ながら舞いあがれませんでした。

もっとも、この会社以上に話題となったのは、打ち上げ中止後の記者会見でのやりとりです。

 

 

フェールセーフとフェールソフト

 

障害発生時に安全性を優先して運転を中止する「フェールセーフ」なる概念があります。

一方で、障害発生時に継続性を優先して稼働率を落として運転する「フェールソフト」という考えもあります。

いずれもシステム設計での安全対応としては正しく、両者はあくまで考え方が違うだけです。

「それは一般に失敗といいます」と捨て台詞を吐いた記者は、「フェールソフト」で継続しない限りは失敗と思ったのでしょうか。

もしかしたら、【打ち上げ失敗】のヘッドライン報道を出したかったのかも知れません。

完璧でなくても良いから締め切りまでに仕事を仕上げる「フェールソフト」な姿勢。

これは記者でなくとも、一般的な仕事において大切なことです。

他方で、ロケット工学の世界で6割の完成度で打ち上げることが危険なのは素人でも分かります。

 

 

正義中毒という「人間の業」

 

もちろん、こうした専門的な立場の違いについて話題となったのではありません。

記者会見でのやりとりが、極めて「人間の業」を感じさせるものだったからでしょう。

記者会見冒頭でJAXAの責任者は涙ながらに謝罪の言葉を口にしました。

誰がどう見たって、「あ、やらかしたんだな」って分かります。

こうした状況でさらに追い討ちとなるような「失敗」の言質を取る行為は死体蹴りとなり、世間的には厳しい評価を受けます。

もちろん、記者としても職業的使命感から詰め寄っていたのかも知れません。

こうした状態を正義中毒に陥ったと表現するそうです。

 

 

学歴を巡る「人間の業」

 

実は先日の投稿でも、正義中毒に駆られたような「人間の業」を感じたので記事にしました。

参考【なぜ人は歳をとると若者に説教するのか?】

「大学を出ても十分な収入を確保できない」と嘆く若者に対し、借金してまで進学する必要があるかが議論されていました。

正義感溢れる記者のごとく、キャリア形成につながらない無駄な時間を借金してまですべきでない、という意見がありました。

他方で、途方に暮れる若者への死体蹴りを諫め、社会として支える必要性を訴える意見もありました。

どちらの意見もなるほどなと思わせる部分がありましたが、私が一番感じたのは「人間の業」です。

衆人環視のSNS上でレスバし合うのは、そのテーマに対して強い問題意識があるからでしょう。

立場は違えど、発信者同士がそれぞれに実体験としての経験があるのかなと感じた次第です。

 

 

驚愕の事実を語る「人間の業」

 

実利的なリターンの見込めない進学に否定的な方は若者にもっと現実を見つめさせるべきと主張されてました。

「世の中、夢だの、情熱だのを盲目的に持ち上げすぎなんだよ」と。

なんでも世の中の驚愕の事実として、大卒を採用条件とする企業は世間体を気にして言わないことがあるそうです。

「MARCH以上」などの足切りがあるんだぞ、という事実のことだそうです。

就活生なら誰でも知っていることを敢えて「驚愕の事実」などと茶化しているのでしょうか。

逆に「MARCH以上」とわざわざ例示したことに目がいってしまいました。

「早慶」「六大学」と違い、「MARCH」というカテゴリーは平成以降に定着したものです。

いうまでもなく、「六大学」には含まれなかったA青学、C中央のためのカテゴライズでしょう。

マッキンゼーやボスコン以外のコンサルが「外資コンサル」や「戦略コンサル」を名乗ることにも通じる「人間の業」を感じます。

こうした人ほど、学歴や肩書が将来のキャリア形成や収入につながらないことを「不幸」として警鐘を鳴らす傾向があるように思います。

 

 

「人間の業」を語るプロフ欄

 

こうした 「人間の業」が如実に現れるのがSNSのプロフィール欄です。

その人が他者にどう思われたいか、どう伝えたいかが端的に表現されています。

記載内容そのものだけでなく、その情報量や表現の仕方からもその人となりが推し測れます。

有料課金して認証バッジを取得している場合などは尚更でしょう。

このプロフィール欄に、真っ先に学歴を書く人であれば学歴をアピールしたいのだな。

資格を書いていれば資格を、年収を書いてあれば収入をアピールしたいのだろうな、等々。

中には学位だけでなく「主席で卒業」とか、業種・職種だけでなく「社長賞受賞」などと記載している人もいます。

そこにその人が大切にしているアイデンティティがあるのだなと伝わってきます。

また、独立開業者でありがちなのが谷→山のV字回復型でしょう。

学歴なし・職歴なしでどん底だった自分ですが、起業で成功、資格でこんなに立派になりました系です。

深い谷で共感や親近感を抱かせ、成功の頂きへのギャップを見せ、おっ!と思わせるストーリーなんでしょう。

 

 

プロフ欄と投稿内容が語るもの

 

しかし、現在ではこうしたプロフィール欄は、裏読みして伝わってしまうことの方が多いようです。

お金配り詐欺など犯罪目的でのプロフィール欄利用が増えてきたことも一因でしょう。

「泥水掬いながら生きてきたとか、やっすいストーリー考えて、コイツ本当に浅い奴だな」なんて穿った見方も。

発信者も受信者も「人間の業」にまみれているのがインターネット空間です。

斜に構えてツラツラと書いてしまいましたが、こうした「人間の業」が深い方々の議論は面白く、学びになります。

その人が思い描く理想の姿がプロフィール欄なのであれば、現実の姿を語るのが本体たる投稿内容でしょう。

他の誰でもない、自分自身の表現内容こそが雄弁に自分を語ってくれているのです。

「一般に失敗といいます」と語りかけるような投稿にならないよう心掛けたいものです。

やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA