風営紳士録2.0

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DJ社長に学ぶ評価経済社会の買収防衛策

レペゼン地球解散の理由

 

皆さん、こんにちは!

東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

昨年末に解散したレペゼン地球ですが、DJ社長が解散理由を告白する動画を公開して話題になっています。

レペゼン地球の商標権・著作権を所有する運営会社でのお家騒動が原因のようです。

DJ社長と名乗っているだけあって元々は運営会社の「代表取締役」であったのですが、対立する共同代表になっていた代表取締役と対立して解任されたとのことです。

これを受けてネットではDJ社長に同情する声、あるいは株式はじめ会社法知識の欠如による失態に言及する発信が散見されました。

ただ、私としては今回もDJ社長の戦略家・策士としての凄まじさに感じ入った次第です。

やはりこの人は評価経済社会の申し子です。

私を含めて、多くの発信者が今回の件を題材にツイートしたり、まとめたり、動画を作ったり、ブログを書いたりしています。

評価経済社会においては、この時点でもう勝ちでしょう。

そもそも、本件をネタにした時点でDJ社長の策略に嵌っているのではないかとさえ思っています。

実は本ブログでも、3年前に評価経済社会について考察した記事内でDJ社長の動画を紹介しておりました。

参考【評価経済社会における風俗営業】

 

その後、YouTuberとしての人気を不動のものにしつつあった中での解散でしたので少し違和感を感じていましたが、もちろんこのような内紛を抱えていたとは想像していませんでした。

これまでもヤラセ炎上商法などで物議をかもしてきてはいましたが、今回の動画公開は昨年解散前から全て計画して準備していたDJ社長の時限爆弾と言えます。

そこで今回はDJ社長を題材に、事業者が最低限理解しておきたい会社法知識を確認すると共に、法律を越えた評価経済社会での防衛策を考えてみたいと思います。

 

 

予防法務の立場から

 

我々も、法律を知らないためにDJ社長と同じようなトラブルに巻き込まれてしまうことはあり得ます。

まずは予防法務の専門家である行政書士の立場から、会社を設立しようとする者なら誰もが理解しておくべき【ポイント】を紹介させてください。

今回の事案は株式会社における株式の過半数を握っていなかったことが紛争に至った最大の原因です。

「Life Group株式会社」というのが今回の紛争の舞台となった会社です。

DJ社長の告白を受けて当該会社の登記簿情報がネットに流れていました。

ちなみに、登記簿謄本(正式には登記事項証明書と言います)というのは法務局に行けば誰でも取寄せ・閲覧することが出来ます。

代表取締役の住所も掲載されていますから、個人情報保護に欠けて問題あるようにも思えますが、そもそも商業登記というのは法人の信用力をチェックするために存在しています。

今回のような事件が発生した際に、誰もが閲覧できるように制度化されていることを理解しておいて下さい。

ということで、対立する代表取締役の方は今回の動画公開によって実名プラス自宅住所まで広く知られるところになりました。

はっきり言って、一般素人にとってはこれだけでも結構ダメージは大きいと思います。

繰り返しになりますが、商業登記制度は会社の与信の為でもあるので、こうしたお家騒動の時こそ活用されてしまうのは仕方ありません。

【ポイント】代表取締役になると自宅住所まで登記事項として公開される

その他にも、登記簿から監査役設置・株式譲渡制限の非公開会社であることが判ります。

さらに、監査役と現在の代表取締役は同じ姓であることから親族である可能性も読み取れます。

動画内では会社の不正経理を問うような問答がありましたが、会計・業務監査の責任を負っているはずの監査役は代表取締役に近い立場の方だったのでしょうか。


では、もう少し登記簿の内容を確認してみましょう。

登記簿では抹消事項に下線が引かれます。

 

本件会社の登記履歴を見ると、DJ社長こと木元さんは昨年10月に代表取締役を解任され、翌11月には取締役からも解任されたことが判ります。

DJ社長が公開した動画内で2020年10月14日であることをスマホで示すシーンがありましたが、代表取締役解任直後に収録したということまで読み取れます。

2020年10月10日 代表取締役解任の取締役会決議

2020年10月14日 動画収録(メンバーに対して動画公開を予告)

2020年11月26日 取締役解任の株主総会決議

2020年12月27日 福岡ドームでの解散ライブ終了後、Youtubeでの全動画・楽曲を削除
※この時点で会社へのYouTube収益が完全に断たれたことになります。

 

ここで知識の確認です。

【ポイント】代表取締役の選任・解任→取締役会が決議

【ポイント】取締役の選任・解任→株主総会が決議

代表取締役を選任・解任する取締役(取締役会構成員)は登記簿に記載されていますが、取締役を選任・解任する株主(株主総会構成員)は登記簿には記載されていません。

実は、DJ社長の告白後に登記簿情報がネットにたくさん流れましたが、会社の基本事項を決定する権限をもった株主の情報は登記簿からは知り得ないのです。

【ポイント】株主情報は登記簿では確認できない

会社の株主を確認するには株主名簿を入手する必要がありますが、これは登記簿と違って一般に公開されていません。

報道によれば、本件会社では発行済み株式の49%をDJ社長が、51%を対立する共同経営者が有しているとのことです。

資本金100万円で発行済み株式総数が100株なので、1株1万円とすれば49万円と51万円の出資割合ということになります。

ただ、動画でのやりとりを聞くと、どうやら100万円の全額を現在の代表取締役が用意して単独出資した上で、49%の株式をDJ社長に割り当てたということでしょう。

どんなにDJ社長が間抜けだったとしても、49万円用意できるならあと2万円ぐらい用意するはずです。

実はこの時点で会社法での意思決定の結論は出てしまっています。

過半数の51%の議決権を握っている株主の意思決定が優先されます。

この点に関しては「49%と51%」の差が天と地ほどの差があることを仰々しく解説している情報がたくさん発信されていました。

 

仰る通りでしょうし、確かにこの点を理解していなかったら経営者としては失格でしょう。

ただ、あれだけ頭のキレるDJ社長です。

本当にそんな単純な事を知らなかったのでしょうか?

会社では過半数株主の意思が優先される、相続においては配偶者が1/2の法定相続権を持っている、この程度の事は今どき会社経営者でなくたって誰でも知っています。

実は、今回の動画は会社法のレベルを越えた評価経済社会の買収防衛策だと私は考えています。

 

 

評価経済社会の防衛策

 

レペゼン地球、そしてDJ社長をご存知の方は少なからず共感して頂けると思いますが、会社の多数株式を握らなければならないことをあのDJ社長が知らなかったとは到底思えません。

法律を知らずに49%しか株を持っていないから解任されたというのは、どう考えてもストーリーとして分かり易す過ぎます。

案の定、日々ネタを探しているユーチューバーなどがこの分かり易いストーリーに食いついてこぞって取り上げて動画を作成しています。

DJ社長は情弱の雇われ社長だった!などとしたり顔して解説している人が沸いています。

・・・実は、この状況こそがDJ社長の本当の狙いだったんではないでしょうか。

もちろん、単なる話題作りだけではありません。

レペゼン地球チャンネルで動画公開したところをみると、解散後もチャンネル登録解除していないレペゼン地球のコアなファンに向けられたメッセージだと解釈できます。

51%の株式譲受けが叶わないことなど、そんなことは初めから分かりきった上で、法律を越えた評価経済社会のやり方で買収防衛策に打って出たのではないでしょうか。

当初の約束がどうだったかは別に、現在の当該会社の企業価値が100万円以上であることは疑いようがありません。

企業価値の算定というのは、その会社が有する資産が将来生み出すであろうキャッシュフローを現在価値に割り戻して計算するのが一般的です。


日税経営情報センターのサイトより

その意味では、対立する代表取締役がキャッシュフローを生み出してくれるレペゼン地球の商標権・著作権の会社への帰属を主張するのは当然の事です。

既に解散している以上、会社に残されたレペゼン地球の知的財産権こそが将来のキャッシュフローを生み出すほぼ唯一の資産だからです。

同時にこれらの知的財産権はあの告白によって大きく資産価値を減らすことになることも想像できます。

DJ社長らを騙して取り上げたことがファンに広く知られた以上、会社に帰属しているレペゼン地球関連の商標権・著作権などの利用場面が限定されてきます。

そして、情弱雇われ社長として騙されていたという分かり易い構図の方が情報拡散されます。

情報拡散されればされるほど、レペゼン地球の知的財産権が生み出す将来キャッシュフローは低減していきます。

実際の会社法の世界でも、敵対的買収を防ぐ手法としてクラウンジュエル焦土作戦と呼ばれる手法が存在します。

敵対的買収を仕掛けられた被買収企業が、買収企業の意欲を削ぐため資産などを処分して意図的に企業価値を毀損させる防衛策です。

今回のDJ社長の動画公開は、レペゼン地球の王冠(クラウン)が狙われているので王冠の宝石(ジュエル)を売っ払い、何の価値もない焼け野原のような焦土にする作戦に思えるのです。

その意味ではDJ社長の権謀術策に嵌まって動いた一兵卒こそが、私を始めとしたこのネタを扱う情報発信者なのかも知れませんね(苦笑)

とまあ、自分勝手に想像で述べてしまいましたが、熱く真っすぐなDJ社長の涙の告白に多くの共感が集まっていたのは紛れもない事実です。

争いごとなどネガティブなことにエネルギーを使わずに済むよう早期に解決すると良いですね。

風俗営業はじめ飲食・娯楽サービス業に携わる皆さんも、紛争・トラブルが発生する前に未然に予防することが大切です。

風俗営業許可に関わる予防法務であれば弊所やたべ行政書士事務所にご相談下さい!

やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

 

再掲【好きなことで、生きていく】『レペゼン地球-DJ社長-』

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