風営紳士録2.0

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風俗営業許可を自分で申請すべきでない理由

本人申請するメリット

 

皆さん、こんにちは!

東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

さて、今回はブログタイトルからも分かる通り、行政書士直球ネタを扱ってみたいと思います。

といっても、本ブログで「風俗営業許可を自分で申請すべきでない理由」を論じても行政書士の宣伝としか思われないとます。

ですから、最初に自分で申請(本人申請)すべき場合を明確にしておきたいと思います。

それは、何より経済的支出を抑えたい場合でしょう。

本人申請すれば、専門家への報酬額を節約することができます。

風俗営業許可を取得するには、申請手数料というのが必ず必要になります。

警察署に納める手数料(キャバクラ等の社交飲食店であれば24,000円)であり、これは必ずかかります。

スケルトンからの新規出店であれば、まず飲食店営業許可を取得する必要がありますから、この費用も別途必要があります(東京都新宿区であれば18,300円)。

こうした法定の申請手数料は、必ず必要になりますから代理申請で専門家に依頼しようが、本人申請しようが確実に発生する費用になります。

これら法定手数料以外に、専門家に支払う報酬を節約できることが本人申請の最大のメリットだと思います。

都内の風俗営業許可申請を手掛ける行政書士であれば、安いところであれば15万円くらいからでしょうか。

社交飲食店であれば20万円~30万円くらいが都内の相場でしょうか。

許可の種類や申請難度の高い案件であればより高額の報酬を請求されるでしょう。

ここではごく標準的な案件として25万円としておくとして、その25万円の支出を節約できることが本人申請の最大のメリットであると思います。

 

 

経営者資質として疑問

 

では、代理申請することのメリットは何でしょうか。

これは、本人申請することのデメリットを考えれば分かります。

まずはっきりお伝えしておきたいことがございます。

事業家としてこれから実店舗、特に風俗営業を始めようとする方で風俗営業許可を自分で申請しよう考えている方は経営者としてのあり方をもう一度見直した方が良いということです。

不快に思う方には申し訳ありませんが、自己での風俗営業許可申請を考えている時点で経営者として適性がないと思います。

これまで風俗営業を専門に手掛けて30年の業歴で様々な経営者を見て来ました。

その経験から自信をもって断言できます。

店舗開店に向けた忙しい時期に、風俗営業許可申請のような労働集約的なことに時間・労力を割き、たかが25万円程度の専門家報酬額を節約するだけなら経営者の資質に欠けると言わざる得ないからです。

 

 

設備投資の経済性計算

 

もちろん、一般的な家計レベルでの25万円と言えば決して安くない金額です。

ただ、ここで経営者の資質とまで強い言葉を用いたのは、経営において最も重要な要素が「設備投資の経済性計算」だからです。

改めて、風俗営業としての社交飲食店の事業特性を考えてください。

都内での出店であれば相応の保証金(敷金)が求められ、店舗契約のための家賃に連動した手数料を問答無用に不動産屋に支払っています。

また、その後の家賃や従業員・キャストなど人件費などと比較しても、開店当初の専門家報酬額額は初速の設備投資資金として大きい金額とは言えないはずです。

ましてや、家賃や人件費など継続的に必要になる運転資金と違って、専門家報酬額は継続的に発生する固定費ではありません。

他方で、営業許可取得への投資をケチったり、手を抜いたりすると、開業が遅れて売上が遅れるだけでなく、行政処分を受けたりします。

暇でやることがなければ別ですが、スタッフやキャスト集め、取引業者、メニュー開発、開店に向けた集客など店舗経営に直結するより重要な課題があるはずです。

 

 

労働集約かつ非生産的

 

もちろん、例外もあります。

「時間・労力を犠牲に25万円のリターンでは割に合わない」と言っているのであり、行政書士出身の経営者など風俗営業許可申請に習熟している方なのであれば別です。

そもそも、風俗営業許可が住所変更程度の難易度だったら代理人申請するか迷う人はいないでしょう。

風俗営業許可は、外国人の在留資格などと異なり、申請要件を満たしていれば確実に許可が下ります。

にも拘らず、なぜ行政書士による代理申請が商売として成立しているのかを冷静に考えてみてください。

自分で申請しては許可が下りないケースがある、あるいは許可は下りても申請が非常に面倒だからです。

かつて、パチンコ大手の日拓グループの新規出店を手掛ける事業部長とお話する機会がありました。

当時の日拓グループには30人規模で運営している大手の行政書士事務所が入り込んでいました。

正直、パチンコでは台交換などでも申請手続きが発生するので、日拓レベルの企業であれば自社で申請業務を内製化した方が良いのではないかと感じました。

もちろん、お話しした事業部長は下手な行政書士より申請業務には精通していました。

ただ、日拓では手続きを内製化せずに外注していたのです。

経済合理的な経営判断として、社員にはより生産性の高い仕事を行わせたかったという訳です。

許可が下りるかどうかはゼロかイチかのデジタルな結果だけです。

より良い許可を取得すれば店舗の集客が倍になる、増収増益になるということはありません。

スケジュール通り出店・開店に至るための一つの工程として風俗営業許可申請があるだけです。

日拓の社員は、売上に直結する顧客サービスや地域社会との関係づくりといった付加価値の高い業務に重きを置いていた訳です。

実際、件の事業部長も新規出店時の地域社会での軋轢解消の為の泥臭い活動を実直に取り組まれている方でした。

 

 

暗黙知による経験効果

 

そして何より風俗営業許可申請を自分で申請すべきでない最大の理由は「経験曲線効果」が活かせないからです。

よく起業家の方で、立ち上げ当初はまずは一通り自分でやってみて体験して覚えてから専門家に依頼すべきと考える方がいらっしゃいます。

風俗営業許可申請を自分で経験して、経営者としてその後に活かせるような知恵が何か身につくでしょうか。

風俗営業許可申請を経験することでその後の経営に活かせることはまずないと断っておきたいと思います。

というのは、風俗営業許可は申請書類・図面作成といった定型業務以上に、個別の申請での属人性や立地による個別事情の影響を受けます。

形式知化しづらい暗黙知による管轄行政庁への理解が求められるということです。

以下は、風俗営業許可の申請時に提出する書類です(詳細は警視庁サイト参照)。

1. 許可申請書
2. 営業の方法を記載した書類
3. 営業所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書・建物に係る登記事項証明書等)
4. 営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
5. 申請者が個人の場合
(1)住民票(本籍記載のもの。外国人にあっては国籍記載のもの)の写し
(2)法第4条第1項第1号から第10号までに掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
(3)市区町村の発行する身分証明書
6. 申請者が法人の場合
(1)定款及び登記事項証明書
(2)役員に係る住民票(本籍記載のもの。外国人にあっては国籍記載のもの)の写し
(3)法第4条第1項第1号から第9号までに掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
(4)役員に係る市区町村の発行する身分証明書
7. 選任する管理者に係る次に掲げる書類
(1)誠実に業務を行うことを誓約する書面
(2)住民票(本籍記載のもの。外国人にあっては国籍記載のもの)の写し
(3)市区町村の発行する身分証明書
(4)法第24条第2項各号に掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
(5)管理者の写真2枚(申請前6月以内に撮影した無帽、正面、上三分身、無背景の縦3.0センチメートル、横2.4センチメートルで裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもの)
8. ぱちんこ屋の場合は、遊技機に係る検定通知書の写し及び保証書等

この一覧で特に4. 営業所の平面図及び営業所の周囲の略図がクセモノです。

公安・警察署・浄化協会担当者といった許可側の視点で作成する必要があるからです。

建築士が製図するような複雑なものでなく、行政側担当者視点に合わせてディチューンした簡易な図面を作成することが求められます。

また、彼ら許可側担当者が求める情報を、彼らの認識しやすい表記で伝えることが求められます。

かといって、こうしたことが行政手続きとして明文化されている訳ではありません。

もっと言えば、管轄警察署によってローカルルールが異なっているのが現状です。

下手に過去の経験値で新規出店を申請すると足元をすくわれるケースだってあります。

こうしたアウンの呼吸による暗黙知を経験して得られる経験値は、行政書士がどの程度の労力を割いているのかを理解できる程度です。

しかも、次回以降に行政書士と価格交渉するときに自身の申請経験がプラスに作用するとは限りません。

今どきネット検索すれば同業他社がいくらで報酬額を設定しているかなど行政書士だって百も承知の上です。

下手に報酬額を値切ると、プロ意識をもって取り組んでいる専門家であればある程、顧客志向が著しく低下し、受任を断るケースが少なくないからです。

士(サムライ)業だけに、「武士は食わねど高楊枝」ということです。

 

 

経験曲線効果を活かす

 

以下は、風俗営業許可申請がはじかれる人的欠格事由です(詳細は警視庁サイト参照)。

営業者(個人または法人)
1. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2. 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3. 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者
4. アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
5. 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者
6. 風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者
7. 営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者
8. 法人の役員、法定代理人が上記1から6までのいずれかに該当する者があるとき

所轄警察署での申請時には、人的欠格事由のチェックを含めて申請人本人による申請を警察担当者としては望んでいるところでしょう。

ところが、こうした欠格事由に思い当たる節がある方ほど自分では警察に出向きたくないものです。

こうした申請人の本音と許可権利者である行政庁との橋渡し役を担うのが行政書士です。

橋渡し役というと聞こえが良いですが、要するにどうやってスムーズに申請書類を受理してもらうかの交渉人です。

申請要件満点の案件であれば、電子申請による本人申請に替わった方が国民の利益に合致します。

難あり案件をどう行政庁にプレゼンテーションするかが行政書士の腕の見せ所です。

また、許可申請の場合、申請後に「実査」と呼ばれる店舗での対象店舗での検査があります。

保健所、消防署による店舗実地検査が行われると同時に、警察OBによる浄化委員による構造チェック、申請人の面談が行われます。

面談時には未成年者の就業などが確認されますが、思わぬ会話のほころびから許可が下りなくなるケースがあります。

口が達者で、営業・交渉など自分の話術に変な自信がある人ほど、こうした面談では余計なことを喋ってしまうケースが少なくありません。

こうした失敗例、しくじりを数限りなくこなすことで風俗営業許可申請に習熟する訳です。

もちろん、行政書士でもない一般の事業者が対許認可行政庁向けの交渉に習熟する必要はありません。

許可案件として微塵の不安もない100%安全なもので、申請書類・図面作成もまったく負担でないならば本人申請がお勧めです。

でも、そんな方がこのブログを読んでいることはないでしょう(笑)。

本人申請ではなく、代理申請をお勧めするのは、行政書士が優秀だからなのではなく、専門家として何度も申請しているから経験曲線効果が効いて許可の確率が高いからです。

キャベツの千切りと同じで、毎日毎日繰り返し行っていれば誰でも作業に習熟していきます。

作業に習熟した者は、その時のキャベツや食材の僅かな違いに気付いて適切な切り方や気の利いた調理ができる余裕が生まれます。

風俗営業に限らず、建設、産廃、入管でも同じですが、専門家に報酬を支払う対価はこの経験値を買うことを意味します。

皆さんも是非、支払うべき対価に見合った経験値を手に入れて風俗営業許可を取得してください。

やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

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