風営紳士録2.0

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低迷する民泊申請数が起こした市場変化とは

就活協定廃止

 

こんにちは
新宿の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です

 

経団連会長が就活解禁日を定めた
「就職協定」の廃止を発表しました

経団連会長曰く
経団連が採用の日程を采配すること自体が
 極めて違和感があるとずっと感じていた
 何月解禁とか経団連の意見としては言わない
とのこと

 

なぜ今更、1953年から続く
「就職協定」を廃止する必要があるのでしょう?

 

実はこのような突然のルール変更と同じことは
風俗営業の許可や民泊の届出でも起こっています

 

本日はこの市場環境の変化への適応についてです

 

 

 

市場(マーケット)ルールを決めるもの

 

もちろんこれまでも景気の波に応じて
就職氷河期や就職黄金期などはありました

 

しかし、現在の日本はこれまでと
決定的に違うことがあります

 

それは「人口減少」という課題に
国家レベルで直面していることです

 

経済の大原則として
「マーケットルールは需給が決める」
というものがあります

現在の日本では圧倒的な「売り手市場」として
「売り手」である学生優位に就職活動は行われます

 

「売り手」の希望に合わない「買い手」企業は
高齢者や外国人などに労働力を求めます

 

「人口減少」という課題に直面することで
供給数の少ない若い日本人労働力は
非常に価値が高まっているのです

 

経済はすべて需給で成り立っています

買い手が多ければ「売り手(が交渉有利な)市場」になり
売り手が多ければ「買い手(が交渉有利な)市場」にまります

 

需要と供給のバランスで市場が決定されるのは
労働市場も風俗営業・民泊などのサービス市場も同じです

 

 

民泊市場に異変あり

 

本年6/15から鳴り物入りで開始した民泊ですが
現状は非常に低迷した状況となりました

 

当初、民泊はシェア経済の本命と言われましたが
ホテル旅館業界からの民泊への反発だけでなく
地域住民からの民泊利用に対する警戒心が強く
地域住民の意向を重視する自治体の地方議員も
「反民泊」を掲げた者が多かったからです

 

地域によっては風俗営業などの「許可」以上に
民泊の「届出」は難度があがってしまいました

 

やたべ行政書士事務所が所在するエリアで言うと
歌舞伎町1丁目、2丁目の民泊物件がそうです

民泊届出に必要となる消防署の確認書類も
歌舞伎町管轄の消防署だけやたらと厳しく
「民泊の相談です」というと
アポイントすら受付しないケースもありました

 

基本的に民泊を認めようとしない行政裁量が働き
消防が警察行政として機能していたと言えます

 

 

民泊市場での需給バランス

 

民泊といってもそれは事業投資です
利回りが出ないのに積極投資するのは
ビジネスとは言えません

 

民泊届出も簡単には認められず
違法民泊の摘発リスクも抱えた不動産投資など
まともな民泊事業者は手を出しません
合理的な民泊事業者はどんどん撤退を始めました

 

またFacebookなどのグループでは
民泊事業撤退セールで
備品などが投げ売りされる始末です

 

しかし、ここで市場環境も変化しました
宿泊施設提供の需給バランスが崩れ始めたのです

 

そもそも急増する訪日外国人への宿泊施設不足から
民泊新法が制定されたこともあり
東京オリンピック・パラリンピック開催のときに
ホテル旅館を補完する宿泊施設として
十分の民泊施設が確保されなくなっては
法律制定した趣旨からも本末転倒です

厳しすぎる上乗せ条例規制により
民泊供給が低迷したしわ寄せとして
基礎自治体でも調整が図られつつあります

 

新宿・歌舞伎町の管轄消防署での対応を
最近は軟化し、まじめに届出する民泊事業者には
協力的姿勢で対応するようになってきました

 

「買い手(許可側)市場」であった民泊市場が
「売り手(事業者側)」の供給数の少なさから
寄り戻しが図られているところでしょう

 

ビジネスにおいては需給バランスを見誤ると
どんなに強みや機会を活かしても
一時的な競争優位に終わります

 

持続的競争優位性を確保するため
需給バランスをしっかりと見極め
自社に有利な市場・タイミングで勝負すべきは
民泊でも風俗営業でも同じですね

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