闇金ウシジマくん最終話に学ぶ危機管理能力
闇金ウシジマくん・完
こんにちは
東京都新宿区の風俗営業専門
やたべ行政書士事務所です
2004年から連載がつづいた人気漫画
『闇金ウシジマくん』連載が終了しました
15年間にも渡り続いた人気作品であり
緻密な取材から現代社会の闇を描き出した
アウトローコミックの金字塔と言えます
今回は『闇金ウシジマくん』最終話から
危機管理の教訓を考えてみたいと思います
※ネタばれ含みます
『闇金ウシジマくん』は違法金利の
闇金融がテーマの作品ですが※詳細はWiki参照
闇金融に止まらずアウトローカルチャー全般や
現代社会の闇、人間の業を扱った作品です
非常に重いテーマを扱っている作品ですが
TVドラマ化や映画化もされた人気作品なので
未読の方は是非ご覧ください!
個人的には原書である漫画がお薦めです!!
エンディングでの示唆
さて、今回最終話を迎えた
『闇金ウシジマくん』ですが
そのエンディングから気づきを得ました
長期連載漫画では
ファンの間で作品のエンディングが
まことしやかに噂されますが
世界観が確立している作品であればあるほど
そのエンディングにおいて
原作者の拘りが表れないはずがありません
ネタばれにもなってしまいますが
私なりに『闇金ウシジマくん』の
エンディングをまとめると
「雑魚キャラで最期を迎える」です
ダークヒーローとはいえ
長期連載の主人公の最期や
人気作品のエンディングならば
相応の大物・ラスボスなどとの死闘や
これまでの物語での出来事を伏線とした
主人公の生い立ち秘話などを期待しがちです
一方で名作と呼ばれる作品の中には
主題やストーリー展開とは無関係なことで
突如エンディングを迎えるものがあります
アルパチーノ主演の映画もその一つです
『カリートの道』
麻薬王が成り上があるギャングムービーですが
最後の最後でつまらぬ雑魚に殺される結末です
今回は両者ともダークヒーローの作品ですが
実はこの雑魚キャラでのエンディングにこそ
明るいヒーロー・ヒロイン作品では描きづらい
示唆に富んだ教訓、人生の不条理の本質が
隠されているように思うのです
雑魚キャラ扱いの怖さ
こちらのマトリックスをご覧ください
時間管理術でよく使用されるフレームワークで
制約条件下でどのように優先順位づけを行うか
仕事や人生の選択を正しく導くために用います
「緊急性」と「重要性」の二軸から出来ています
【A】象限が最優先なのは明らかでしょう
【D】象限が重要でないことも明確です
問題は【B】象限と【C】象限です
実はここでよくありがちなのは
【B】象限の緊急性低・重要性高よりも
【C】象限の緊急性高・重要性低の方を
優先してしまうことです
雑魚キャラ=雑魚仕事を緊急性で判断し
後に重要性をもつことを見誤るということです
重要性が高いことは分かっていても
緊急性が高いことから取り掛かってしまう
人間誰しもそのような性分でしょう
重要性が高いことは分かっているので
忘れ去られてしまうことはないとしても
いつかいつかと思って後手に回してしまう
そしていつの日か重要性が高かった問題が
顕在化して目の前に立ちはだかります
ただ、これまで緊急性を低く設定していたために
直ぐに問題解決出来ないことが少なくありません
さらに、問題としては重要性が高いことから
いざ問題が表面化した時点では
既に回復できないダメージを受けていることも
無きにしも非ずです
もう私がお伝えしたいことは
分かって頂けたと思います
【B】象限こそ勝敗を分ける決め手で
【C】象限よりも優先すべきということです
何より難しいのが【B】象限に属するモノは
当初雑魚キャラとして表れるということです
危機管理としての許可
このことは風俗営業をはじめ
飲食・娯楽サービス業の経営においても
妥当する考え方だと思います
『闇金ウシジマくん』の最終話から
雑魚キャラ(緊急性の低い問題)対応を
考えてみると
【A】象限には日々の売上や支払いや
太客・リピート客の再訪や新規客開拓が該当し
緊急性・重要性が高く扱われるのは当然でしょう
一方で「営業許可」というのは
重要性が高いと分かっていても
緊急性は高くないと誤解されがちです
場合によっては重要性も低いと
【D】象限で考えている方もいらっしゃいます
「営業許可」「営業届出」の違反行為は
当初、行政指導などの形で顕在化するので
繁盛店であればあるほど対処することを
後回しにしてしまうことがあります
ただ、一度行政が厳しく対応に出ると
そのダメージは予想を上回る場合があります
さすがに無免許営業することの
緊急性・重要性は疑いようがありませんが
風俗営業の場合はそれだけではありません
- 許可された内装を勝手に変更していないか?
- 従業員名簿はしっかりと管理されているか?
- 周辺住民の苦情などへの対応は問題ないか?
これらはまさに【B】象限に属する
緊急性は低いが、重要性は高い問題といえます
雑魚キャラといっては何ですが
これらの緊急性の低い問題への取り組みこそが
将来の成否を決定する伏線となっているのは
漫画・映画も、風俗営業も同じです!
営業許可などの法律問題だけでなく
従業員対策やリピーター対策など
問題が顕在化してからでは遅い問題こそ
日頃からしっかりと取り組んでくださいね!
やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!
それでは、また!
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作者からのメッセージ
完結記念サイトより
15年。長い連載でした。
途中多少ダレる時もありましたがとても新鮮な気持ちで最後まで描きれました。章区切りで毎度新連載始める意気込みでやってたのと、いろんな取材して日常では絶対会えない方々と出会えたのも気持ちが腐らなかったんだと思います。
人に会うのって面倒なトコもありますが、嫌な出来事も漫画に転換できたらいいや、と楽観的に自分で消化出来たのが良かったです。
最終章を描いてる途中、打ち合わせの後新宿三丁目で呑みハシゴでゴールデン街で呑み新宿二丁目で泥酔した朝方途中で合流したゲイのオーナーの方に
「なんで漫画描いてるの?」
と質問され、呂律もまわらない酩酊状態で
「自分の魂を救うために描いてる。」
と答えたそうです。完全に魂が抜け落ちた状態で。
何処かで誰かが闇金ウシジマくんを読んでくれて何か感じてくれてたら最高にしあわせです。
ここまで付き合ってくれた読者の方、
編集者、スタッフ、取材協力者の方々
長い間ありがとうございました。
感謝してます。
2019年3月4日
真鍋昌平
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