風営紳士録2.0

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カミュに学ぶ異邦人としての夜の街風俗営業

第2波で休業再要請か

 

皆さん、こんにちは!

東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

7/13に西村経済再生担当大臣は自身のツイッターで、ガイドラインを順守しない接待飲食店などの風俗営業店舗に対し、休業要請を行うことを示唆しました。

直近の東京では連日200名を超える新規感染者数が記録されており、30人以上の感染者数を出した大阪でも独自基準に従って「イエローシグナル」が点灯となり、全国的に予断を許さない状況になってきたことから、東京・神奈川・千葉・埼玉では特別措置法に基づく休業要請が出される可能性が報道されていました。

大野埼玉県知事もガイドラインを順守しない接待飲食事業者に対して休業要請を行うことを発表しました。

 

 

特措法条文の違い

 

ただ、ここで留意しておくべきことは、西村大臣も大野知事も根拠として挙げているのが「特措法24条9項」という点です。

特別措置法には、「24条」と「45条」に基づく休業要請が規定されていて、「24条」は都道府県知事が独自に行える協力要請としての休業要請が規定され、「45条」は要請に従わない場合に「指示」「公表」なども含めた規定がされています。

「45条」の場合、施設管理者に対して個別に行われ、使用制限・公表なども含めたより強い規定ということができます。なお、「45条」に基づく要請は、国家による緊急事態宣言下が前提となっているので、宣言が解除されている現状では「45条」による休業要請となることは想定されていません。

なので、西村大臣・大野知事の言及した「24条」による休業要請は「45条」に比較すると弱い要請であると言えます。

皆さんお察しの通り、4月・5月での支出により財政上補償の余裕がなくなってきたため強権的に行われてこなかっただけという実情もあるようです。

東京では緊急事態宣言・東京アラート解除後は感染予防と経済活動とのバランスを重視する方針に転換し、事業者・利用者への協力要請が基本になってきました。

その証拠に、批判に晒されながらも、観光業の窮地を救うために7/22からはGo Toキャンペーンを展開する姿勢も崩していません。

観光産業振興のためにはここまで強硬姿勢を取るならば、風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業に携わる皆さんも、ガイドラインをしっかりと順守したうえで堂々と営業活動を行って頂きたいと思います。

 

 

対策の方向性

 

兵庫県知事が「諸悪の根源」と発言し、すぐに取消(撤回)したことが報道されていましたが、菅官房長官からも同様の趣旨の発言が行われています。

もちろん、兵庫県知事も菅官房長官も東京に対する差別的な意図は一切ないと思いますが、疫学的因果関係だけで考えれば東京都の対策が近隣県だけでなく全国に影響を与え始めていることは否定できないと思います。

このような現状を踏まえ、夜の街の繁華街を抱える新宿区・豊島区の首長を交え、新たな3つの強化対策が示されました。

参加していた豊島区がホストクラブなどを対象に独自に休業要請を行うことを発表したことに小池知事はモデルケースにしたいと好意的に発信していました。

さらには東京都医師会は、業種・業態や個別店舗への要請ではなく、地理的エリアに注目し、歌舞伎町などエリアを対象にした休業要請の必要性を唱えています。

埼玉県知事、豊島区長、東京都医師会のいずれも、補償を行った上での休業要請に言及している点では財政的課題をクリアしなければなりませんが、これから打ち出されていく「夜の街」への対策の方向性を示しているように感じます。

確かなこととして、風俗営業事業者にとっての業界ガイドライン順守の重みは格段に重くなったことが挙げられます。

まずはしっかりと業界ガイドラインを順守し、行政から利用を推奨してもらえる認証店舗を目指してください。

風営法令を守ることと同様に、業界ガイドライン順守を徹底して頂きたいと思います。

 

 

新宿区への批判

 

諸悪の根源、東京由来として揶揄されて困惑された小池知事ですが、小池知事が毎回のぶら下がり会見で言及していたのが「新宿・歌舞伎町」「ホストクラブ」です。

小池知事からすれば「東京と十把一絡げにしないでくれ、諸悪の根源は新宿・歌舞伎だよ」とでも言いたいのかなと私は感じていました。

そんな中、新宿区民を対象にしたコロナ陽性者見舞金に対して辛辣な批判が向けられました。

今回の新宿区の取り組みによって、区民の税金が10万円ずつ使われることへの批判と言うよりも、新規感染者数が伸びてしまうことに対する苛立ちの方が強いのかもしれません。

ただ、本ブログでも紹介した新宿区吉住健一区長の働きかけによってホストクラブをはじめとした夜の街の事業者との連携が一つの形になったのが今回の積極的な検査受診でした。

実際、吉住区長との意見交換会に参加されたSmappa!グループ手塚マキ氏は「夜の街を取り締まりたいのではなく、どうやったら感染を防ぐことができるかを一緒に考えたいとの吉住区長の想いが伝わったからこそ業界が動いた」と発言しています。

※画像をクリックするとAbemaTVリンクに飛びます

10万円の見舞金の多寡については議論の余地はあるかも知れませんが、無症状であっても2次感染の可能性がある陽性者を判別できる体制を構築した新宿区の対応は間違っていないと私は思います。

経済推進派の中には、感染経路不明者はどうせ風俗営業関係者、10万円目的でホストが検査受けまくっているなどと心ない発信をされている人もいますが、そのような暴論が出てきてしまうくらい状況が予断を許さなくなってきているとも言えると思います。

政治・行政と民間、専門家と事業者がタッグを組むことによって必ず突破口を見つけましょう。

もちろん、やたべ行政書士事務所も風俗営業に関わる専門家の端くれとして出来るだけのことを行って参ります。

 

 

シーシュポスの神話

 

『ペスト』『異邦人』などの作品で知られるノーベル文学賞受賞者のアルベール・カミュ『シーシュポスの神話』の中で、神の怒りに触れ、大岩を山頂に運ぶ罰を受けたシーシュポスを描いています。

山頂に運び終えると同時に岩は転がり落ち、またゼロから同じことを何度も繰り返し、また同じ結果になってしまう。

この不条理の連続こそが我々人間の人生における不条理を表すかのように。

では、そんな不条理つづき人生だったら本当に意味のないものなのか?

カミュ“Non”と応えます。

全てが水泡に帰すことがわかっても、シーシュポスは岩を運ぶことを止めません。

不条理で叩きのめされようとも、それでも生き続ける人間の姿カミュは描いています。

穢れた「夜の街」の異邦人として不条理に扱われている風俗営業事業者の皆さん、『シーシュポスの神話』に学び生き続けることを止めないでください!

今回の難局を生き抜けばこの先どんな試練がきても打ち克つ強さが養われるはずです。

やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!

それでは、また!

 

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