風営紳士録2.0

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セクキャバに感染拡大防止協力金は必要か?

感染拡大防止協力金

 

皆さん、こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。

本日4月15日に新型コロナウイルスの感染拡大防止協力金(50万円 or 100万円)について東京都から正式に発表がありました。


※質疑の途中から再生されます

先日ご紹介した国の給付金は減収分に応じた補償であったのに対し、こちらは協力さえすれば売上の減収率に関係なく店舗数に応じた金額が満額支給(50万円 or 100万円)されます。

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【募集要項公表】
4/22(水)WEB申請サイトを立ち上げ、申請受付を開始

【申請受付期間】
4月22日(水)~6月15日(月)(予定)

【支給開始】
5月上旬から

【申請方法】
専用ホームページからWEB申請
郵送又は持参も可

【必要書類】(予定)
協力金申請書(法人にあたっては「法人番号」を記入)
営業実態が確認できる書類
(例)確定申告書の写しのほか、直近の帳簿、業種に係る営業許可証の写し等
休業の状況が確認できる書類
(例)事業収入額を示した帳簿の写し、休業期間を告知するホームページ・店頭ポスターの写し等
誓約書

詳細は東京都産業労働局のこちらの公式サイトをご参照ください。

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セクキャバの営業許可

 

東京都からの感染拡大防止協力金のアナウンスと同じタイミングに、緊急事態宣言発令後の夜の街に繰り出した国会議員について報道がありました。

向かった先は新宿・歌舞伎町のセクキャバこと「セクシーキャバクラ」とのこと。

週刊誌報道・ワイドショーだけでなく、NHKの7時のニュースでも「セクシーキャバクラ」と紹介されていました。

接客したキャストもしくは店舗関係者から情報がリークされたようですが、この「セクシーキャバクラ」にも感染拡大防止協力金は支払われるのでしょうか?

といいますのも、発表された感染拡大防止協力金の申請案内では、提出書類として「業種に係る営業許可証の写し」が示されていたからです。

本日の報道でも、「接待飲食店」「性風俗店」「キャバクラ」「セクシーキャバクラ」などさまざまな表現が用いられていました。

もちろん、報道側は自粛要請が求められていた夜の繁華街の3密店舗に行ったことを強調したくて用いただけで店舗の呼称に特別な意味合いはないのでしょう。

ただ、私の場合、どの営業許可の店舗なのかの方が気になってしまいました(笑)

えーそこ!?と言われてしまいそうですが、単に風俗営業専門行政書士としての職業病だけではありません。

もちろん、国民全員が協力して外出自粛をしている最中に国会議員が営業自粛前に羽目外しに行っていたこと自体に倫理的問題があることは十分理解できます。

しかし、外出自粛要請はあくまで協力お願いレベルですが、営業許可は法令上の義務の問題です。

結論からすると、「接待飲食店」「性風俗店」「キャバクラ」であれば風営法上該当する営業許可・届出が存在しますが、「セクシーキャバクラ」には風営法上の明確な許可・届出は存在しないのです。

 

 

風営法条文の裏付け

 

報道では国会議員とキャストで交わされたサービスの詳細な描写がありました。

「セクシーキャバクラ」の語感から自然にイメージされるのは風営法1号許可「接待飲食店」でしょうが、残念ながら風営法1号許可で報道にあったような過激なサービスは提供できません。

少なくとも警察への申請段階で報道にある通りのサービス内容で説明すれば突き返されること間違いないです。

風営法1号許可「接待飲食店」で認められる「接待」法律施行令解釈運用基準などで、どこまで提供できるかが示されています。

「『接待』とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。」(風営法第2条3項)

なお、接待飲食店で法律上認められる「接待」についてはコチラの過去記事をご参考にしてください。

ちなみに、小池都知事の会見で話題となった「ヌードスタジオ」「のぞき劇場」などのバズワードは、施行令第2条に登場するワードです。

 

では、国会議員が訪問したお店が「性風俗店」であった場合はどうでしょうか。

この場合は店舗型性風俗特殊営業として「異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業」(風営法第2条6項)が認められるので、報道にあったようなサービス提供も可能です。

ただ、この場合は「個室を設け、当該個室において」(風営法第2条6項)という店舗構造上の要件が必要になってきます。

何より店舗型性風俗特殊営業の届出店であれば、報道内容にあった程度のサービスに止める必要はなくなってきますね。

無許可営業でない限り、やはり「キャバクラ」「セクシーキャバクラ」の表記から風営法1号許可と考えるのが自然だと思います。

 

グダグダとまわりくどく説明しましたが、要するに何が言いたいかというと報道にあったようなサービス提供を風営法1号許可で行うのは違法だということです。

もっとはっきり言うと、報道通りの内容を事実として店舗が認めるとするなら自らの法令違反行為を認めることになるということです。

 

 

店舗が受けるダメージ

 

遊びなれていない先生だったのか、件の国会議員はLINEプロフィールも顔出し・本名だったので、ネット検索したキャストが国会議員と気付いてリークさせたというところではないでしょうか(完全な私の想像ですが)。

ただ、店舗側マネジメントとしてはこれは手痛いミスだったと思います。

不届きな国会議員を告発することの是非は置いておいて、自らの違法営業を大々的に認めることにもなる訳ですから。

報道によれば当該セクキャバは歌舞伎町で複数店舗経営しており、女子高生のコスプレで接客するそうです。

新宿や池袋で風俗営業を専門にやってきた私としては直ぐに思い当たる有名セクキャバグループがあります。

このグループはしっかりとした危機管理・経営が行われていると思っていましたが、キャストか店舗スタッフが軽く考えて週刊誌に情報をリークさせたのでしょうか。

上層部としては頭の痛い話です。

ちなみに、風俗営業店は接待飲食・性風俗問わず、経営者として表に出てくる代表者(法人登記簿上の代表取締役)はワラ人形であるケースが少なくありません。

風俗営業許可・届出の申請を行った経験のある実務家であればご存じでしょうが、何千万円もの費用をかけた豪華内装の接待飲食店の申請でも代表取締役は平成2桁生まれで、ろくに事業経験もないオニーチャンの場合が少なくありません。

この場合、ほぼ間違いなく影の経営者が存在し、実際の経営の意思決定はその影の経営者が行っています。

行政処分などにより人的欠格事由(風営法第4条各項)に該当すると風営法の営業許可が下りないこともあり、表向きの経営者は何かあったら直ぐに交代させ、実質的経営者は法人登記簿上は出てこないといったことは良くあり、これは警察側も理解しています。

グループによっては、店舗出店ごとに会社設立を行い、都度新しい代表者を用意して新規出店を行っていくケースもあります。

半グレが経営するぼったくり店舗などは殆どがこのダミー会社を通じた運営です。

というより、暴力団や準暴力団が役員にいれば営業許可どころか、銀行口座すら開設させてもらえません。

今回の国会議員の情報をリークさせたのも、接客したキャストか、経験値の浅い現場スタッフといったところではないでしょうか。

ビジネスとしての風俗営業にとって、営業実態が大々的に報道されることはデメリットが多すぎるからです。

 

協力金は必要か?

 

話を感染拡大防止協力金に戻しますと、緊急事態措置発動後の4月11日より当該セクキャバ店も営業自粛に入ったそうです。

もし、当該セクキャバ店が感染拡大防止協力金の支給を希望する場合、「業種に係る営業許可証の写し」の提出が必要になります。

また、東京都だって馬鹿ではないですから、しっかりと裏取りするために店舗サイトなどを確認するはずです。

風営法1号許可営業で認められないサービス内容が店舗サイトで謳われていたり、風俗情報サイトで有名セクキャバグループとして紹介していた場合、違法営業であることは知るところとなると思います。

そして東京都からアナウンスされた通り、感染拡大防止協力金を支給した事業者は東京都のホームページ上で情報公開されます。

税金の使途を細かくチェックしている市民団体が複数いますので、今回の感染拡大防止協力金についても東京都がずさんなチェックだけで不正受給させていないか、念入りに確認するはずです。

公金として感染拡大防止協力金が違法営業店舗に支払われていたと騒がれてしまうと東京都としても動かざる得ません。

東京都が動くことは、すなわち警視庁が動くことを意味します。

普段であれば所轄警察もセクキャバ程度は黙認していても、3密の代表として違法セクキャバ狙い撃ち指令がトップダウンで下される可能性も否定できません。

今回のコロナショックは、今後の経営の方向性を考える良いチャンスかも知れません。

リスクリターンをしっかりと考えて、持続可能なビジネスとして風俗営業に取り組み直すことも含めて、16日以降の休業要請期間に検討してみてください。

それでは、また!

【追記】接客したキャストを名乗るアカウント

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