ポーカーを合法化?自称専門家のブラフ解説
ポーカーを合法化!?
皆さん、こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。
自称専門家の方がこのようなメッセージを発していました。
「我が国はもう既にポーカーを合法化している国です」
えっ!ポーカー合法化って、そもそもポーカーは違法だったの!?
これが私の第一印象です。
このメッセージが発信されたのはYouTubeですが、どうやらプロポーカープレイヤーの提言に対する発信だったようです。
前後の文脈を補って考えると、どうやら「ポーカーを合法化」ではなく、「ポーカー賭博を合法化」ということのようです。
自称専門家が取り上げたプロポーカープレイヤー・世界のヨコサワさんの提言動画はコチラです。
プロポーカープレイヤー・ヨコサワさんは以下のように説明されていました。
「大前提として、日本の法律ではお金を賭けるポーカーは禁止されている。でも、お金を賭けないポーカーというのはやってもOKだよ。」(動画2:00あたり)
極めて適切な説明であり、その後の動画の発言内容も賛同できる内容でした。
なにより、ヨコサワさんは「お金を賭ける」という行為を明示的に説明しています。
そもそも、戦後の日本でポーカーを違法として禁じていたことなんてありません。
カードゲームとしてのポーカーを禁じた経緯がない以上は「ポーカーを合法化」したこともありません。
違法行為として禁じてきたのは、お金を賭ける「賭博行為」(刑法185条、186条)についてです。
逆に言えば、お金を賭けてしまうと野球だろうが、ゴルフだろうが、賭博行為にあたり違法になります。
だからといって、「野球を合法化している国」などとは言いませんよね。
法が禁じているのは、あくまで「お金を賭けていること」であって、ポーカーかどうかは問題ではないのです。
自称専門家の承認欲求
にもかかわらず、どうして自称専門家の方は「我が国はもう既にポーカーを合法化している」なんてしたり顔してドヤったのでしょうか?
ヨコサワさんの発言に対し、自称専門家の方はこのようなコメントをされていました。
「国内でポーカーを合法化するという言い方には若干語弊がある。」
「実は我が国はもう既にポーカーを合法化している国です。」
「2018年の統合型リゾートのカジノゲームにポーカーが含まれている。」
「この時点で競技種となっているので既に合法化されている。」
「開業は2030年だが、ポーカーというゲーム自体は法律上は合法になっている。」
以上が「正確な説明」だそうです。
もちろん、「ポーカー」ではなく、「ポーカー賭博」というのが本当に正確な表現でしょうね。
少なくとも専門家を自称するならば、違法行為となる行為は罪刑法定主義に反しないように表現すべきです。
「ポーカーというゲーム自体は法律上は合法」なんていかにも誤解を招きそうですが、ポーカーの合法・違法を規定した法律など最初から存在しません。
この点は、ヨコサワさんの方が遥かに注意深く正確に表現していて専門家然としています。
提言元のヨコサワさんは「ポーカー」と「お金を賭けたポーカー賭博」とをきっちり分けて丁寧に説明しているのに対し、自称専門家の方は「ポーカー」=「ポーカー賭博」をごっちゃにして説明しています。
はっきり言って、全くかみ合っていません。
ヨコサワさんは、外国人観光客相手のIRカジノでのポーカー賭博合法化のことにフォーカスしていないのは動画を見れば誰だって分かります。
あくまで世間一般でのポーカー人気化のために、賭博解禁できないかを提言しているはずです。
もちろん、こんな事は自称専門家の方だって冷静に視聴していたら気づいていると思います。
にもかかわらず、訊かれてもいないカジノゲーム競技種採用の知識をひけらかしてドヤ顔解説してしまうのは自己承認欲求と言う「人間の業」に囚われてしまったからではないでしょうか。
相手の提言内容を素直に傾聴せず、自分が主張したいことや発信したい内容の呼び水として利用してやろうというスケベ根性で引用するとこうした罠に陥ります。
言うまでもなく、「合法化」「違法化」などは法規範性を伴うものであり、立法機関が担う機能です。
カジノゲームを所管する担当委員会がどのような競技種を施設内で認めるのかは、それこそ専門家としての判断になるでしょう。
ただ、賭博行為として「合法・違法」を決定づけるのは「お金を賭ける行為」にこそ本質があるのであって、どのような競技種かは問題ではありません。
もちろん、IRカジノ施設内でのゲーム競技種となれば、違法性阻却されますが、これは競馬・競輪と同じ公営ギャンブル的な意味合いであって、ヨコサワさんの提言趣旨とはズレてきます。
以前も、ミスリーディングな発信をされていたので指摘しましたが、今回はさらにピントがズレていると感じました。
自称専門家ブラフ解説
今回のブログのヘッダーに用いた映画『ラウンダーズ』をご覧になったことはありますか?
法外なレートで行うポーカー賭博でマフィア相手に勝負するシーンは最高です。
ロシア訛りの英語でハッタリ(ブラフ)をかますジョン・マルコヴィッチ相手に、主演マット・デイモンがこれまた騙された振りをするブラフで仕返しするシーンが最高です。
ジョン・マルコヴィッチ演ずるロシアンマフィアKGBのようなゲスいブラフ野郎が現代社会にも多く居ますよね。
何がゲスいって、実は発信している内容よりも、パクツイ・バックレと恥知らずな行為をしながら、さも自分が信念貫く漢ぶっている厚顔無恥なところでしょうか。
もっとも、劇中のジョン・マルコヴィッチは最後はルールを守って掛け金を支払い博徒としてのプライドを守っています。
「下手に謝ると相手の要求がつけ上がる」とか意味不明な言い訳してバックレてる恥知らずと一緒にしたら可哀想ですね。
現代は、インターネットによって才能は必ず見出されるようになりました。
同様に、インターネットによってインチキ野郎は必ず捲れるようにもなりました。
誤った法令解釈、違法行為につながるような無責任な情報発信は、ブラフをかましているツイ廃が垂れ流しているのでご注意ください。
やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!
それでは、また!
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