風俗営業を監視通報する自粛警察負のバトン
韓国でクラスター発生
皆さん、こんにちは!
東京都新宿区の風俗営業専門やたべ行政書士事務所です。
本日5月10日の東京都内の新規感染者数は22人でした。
8日連続の二桁であり、間違いなく自粛効果が表れてきています。
【新型コロナウイルス】
東京都内で10日、新たに22人が新型コロナウイルスに感染していたことが分かりました。都内の感染者はこれで8日連続で100人を下回りました。#22人#東京都#感染者数#日テレNEWS24#ntv pic.twitter.com/TJPsKqTVpx
— 日テレNEWS (@news24ntv) May 10, 2020
一方で気になるニュースを目にしました。
韓国・クラブでの集団感染 陽性者54人に=全国に拡散の様相 https://t.co/1detCyCDt9
— yonhapnews (@yonhapjp) May 10, 2020
封じ込めに成功していたと言われていた韓国で、夜の街でのクラスターが発生し、コロナ克服祝賀ムードに冷や水がかけられることになりました。
クラスター発生源となったのは、やはり3密業種であるナイトクラブ(踊る方)です。
原稿をアップしました。昨日の続報です。韓国の新型コロナ対策、確かに先んじてはいますが、日本にとって参考にならない点も率直なところあります。「なんでもかんでも韓国がいいんだよ野郎」にならないよう、記していきます。#新型コロナ #韓国 #集団感染https://t.co/BUppWPxeDU
— 吉崎エイジーニョ (@eijinho) May 10, 2020
店内でのクラスター発生を受け、韓国国内すべてのクラブなど遊興施設に対し、1カ月間の営業停止の行政命令が出されたとのことで、韓国中央事故収拾本部の孫映レ(ソン・ヨンレ)戦略企画班長は以下のように説明したと報道されていました。yonhapnewsより
「クラブなど密閉された店では自主的な履行が容易ではないとの指摘があり、しっかりと守られるよう、行政命令を出すことにした」
隣国・韓国のこととはいえ、感染対策への気が緩めば日本でも同じことが発生してもおかしくないでしょう。
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【5/12追記】
韓国のクラブ起点のクラスターによる感染者が100名を突破したとのこと。日本の政府専門家の3密業種への対応方針にも影響を及ぼすことは避けられません。加えて、感染経路特定のための人権制約など日本でも起こり得るさまざまな問題を内包していて学ぶべき事は多そうです。
これぞ監視社会
梨泰院のクラブから広がった集団感染者は101人に。ソウル市は該当期間に該当エリアの携帯電波基地局に接続した1万905名に検査を受けるようSMSを送信した。従わない人には罰金200万ウォンを課す。
カード使用履歴と携帯基地局で一般市民を追跡する監視国家https://t.co/oJx3DwCp7d— 小咲なな (@TIOffoa1lny67Ii) May 12, 2020
性的マイノリティが集まるサウナで感染者が出たことで、集まってた人は更に差別を危惧する。これは本当に気の毒。検査に行けば”カミングアウト”と言われ、情報もネットに出る。https://t.co/gralOVaAXu
— 小咲なな (@TIOffoa1lny67Ii) May 9, 2020
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東京都内での新規感染者数が二桁に抑え込まれたこの週末、休業要請に応じていたパチンコ店が営業を再開して店名公表されるなど、経済活動自粛の限界から営業を再開する動きも始まりつつあるようです。
実際に新規感染者数として確認されるまでに時間差があるので、延長期間満了間近の5月末頃の数値で今後の3密産業への審判が下されることになりますが、新規感染が抑え込まれている今こそ気を緩めずに感染予防を徹底することが大切でしょう。
政府専門家会議が重視しているのが「新規感染者数」「感染経路不明者数」といった指標なので、風俗営業をはじめ飲食・娯楽サービス業は6月以降も非常に厳しい事業環境に置かれることと思います。
これからの厳しい事業環境を生き抜くためには、直接的売上につながる顧客ニーズだけでなく、顧客以外や地域社会などに受け入れられる存在であることも求められてきます。
自粛警察の勇み足
そこで今回考えてみたのは店舗事業者にとってアンチとなる「自粛警察」についてです。
ワイドショーやSNSだけでなく、NHKでも取り上げるほどの社会現象となっているようです。
緊急事態宣言下での自粛要請に応じない者への監視・通報など一般市民による自警活動を表す言葉ですが、社会の分断を招いていると問題視されています。
営業を強行するパチンコ店舗および越境してまでパチンコ店に来店する利用者に対する批判だけでなく、自粛協力要請で認められた営業活動に対してまで批判が向かうこともあります。
NHKで報道されていたライブバーの場合、無観客で3密対策を行ったうえでのライブ配信に対して警告がなされたとのことです。
もちろん、東京都の見解でも無観客ライブ配信は3密対策を行えば協力姿勢に問題なしと確認されています。東京都感染拡大防止協力金『よくある質問』参照
当初、東京都が設置した電話窓口では担当者によって回答がまちまちで、以前もご紹介した四谷アウトブレイク佐藤さんが同業者のために先月4月の早い時点でやりとりを動画公開してくれていました。
それにしても最初に電話対応した男性担当者、テンション低いですね。慣れていないこと、面倒くさいことを訊かれたくないという警戒心がこちらにも伝わってきます(笑)
自粛警察の情報収集先
東京都の協力金申請ですが、申請者が一覧となって検索できるようになっているのをご存じですか?
東京都のページでは「ご協力のお申し出を頂きました施設」とありますが、支給決定者ではなく、あくまで申請者です。
しかも、申請番号などではなく、「店舗名称1文字」や「市区町村」での検索も可能にしています。
これは不正受給を防止するために「自粛警察」向けに情報提供を行っているのではないかと私は思っています。
感染拡大防止に向けて市民相互のチェック機能を活用しながら情報を効率的に集めようとしているのではないでしょうか。
現実問題、東京都の協力金に限らず、各種給付金では不正に受給しようとする事業者も残念ながら存在します。
実際に問題となるのは悪質な場合でしょうが、この申請者検索の役割として不正受給目的の申請抑止や市民の相互チェック機能を求めているのは否定できないと思います。
相互チェックと言えば聞こえは良いですが、ここ最近のSNSを見れば分かるように、感染と経済というどちらも大切な価値のぶつかり合いから、お互い罵倒しあい、憎しみを増幅させています。
脳科学者の中野信子氏の「正義中毒」なる言葉がバズワードとなっていますが、まさに「正義中毒」に侵された識者もいて、専門家並みにに数値を並べて自説の正しさを強く主張している姿は現在の異常な世界を象徴しているように思います。
oggi.jpより
秘められたメッセージ
なぜ、私がこのような斜に構えたような穿った見方をしてしまうかと言うと、申請受付要項の記載に違和感を覚えたからです。
「本協力金支給の決定後、申請要件に該当しない事実や不正等が発覚した場合は、東京都は、本協力金の支給決定を取り消します。この場合、申請者は、協力金を返金するとともに、協力金と同額の違約金を支払うこととなります。」申請受付要項 Ⅳその他
いわゆる倍返しですが、「不正」だけでなく、「申請要件に該当しない事実・・が発覚した場合」にも違約金支払いも課徴とのことです。
もっとも、ここまで言うなら前述の電話やりとりのようないい加減な対応していては困りますよね(笑)
ちなみに、申請受付要項では専門家による確認として以下のようにも記載しています。
「本協力金は、専門家が申請要件を満たしているか・・について事前に確認することにより、円滑な申請と支給を目指しています。・・円滑な申請と支給に向けて、次の専門家の確認を受けていただくようお願いします。」申請受付要項 Ⅲ申請手続き等
これも当然ながら「申請要件に該当しない事実」が発生することの抑止機能を期待されていると思います。
※専門家に依頼した事前確認にかかる費用については、一定の基準により東京都が別に措置
※東京都から当該専門家に照会することがあります
以上のような記載に秘められた専門家向けのメッセージとして、初期の報酬費用は税金で賄うから、不正受給につながるような「申請要件に該当しない事実」を専門家段階でしっかりチェックしてくださいよというところでしょうか。
補助金・助成金絡みの専門家仕事の場合、今回のように急遽予算がついた案件というのはビジネスチャンスでもあるので、公金で報酬を賄ってもらえるのであれば手っ取り早く儲けようと考えてしまう方もおられます。
突貫工事のランディングページを作成し、やたらと「無料」「無報酬」であることを強調し、事前確認専門家欄への記載だけ求めるような専門家は依頼者としても慎重に見極めた方が良いと思います。
東京都の説明にある通り、事前確認にかかる費用は一定程度税金で支払われるので、厳密な意味では「無料」「無報酬」で行っている訳ではありませんし、何より依頼者に対して完全な「無料」「無報酬」のボランティア活動であると誤認させることで十分な事前確認を怠ることはあってはならないからです。
自戒の意味も含めてあえて言及しましたが、もちろん、このような専門家はほんの一部であり、多くの専門家は国難を乗り切るための矜持をもって活動されています。
なお、不正受給が問題となった社労士の雇用調整助成金申請での連帯責任でも、負担の大きさから顧問先以外の受任を敬遠するケースが多発し、今回のコロナ禍に機能不全を起こしているために厚労省も社労士の連帯責任軽減や申請手続きの簡素化が迫られています。
雇用調整助成金、手続き簡素化 平均賃金の計算免除 https://t.co/xGLcAEJRz1
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) May 6, 2020
雇調金に比べれば遥かに負担は少ないと思いますが、専門家として受任した以上は少なくとも「倍返し」を食らわないよう出来る限りのことはやるべきでしょう。
特に「専門家」として東京都行政書士会会長自ら陳情を行い、わざわざ後から追加してもらった「行政書士」については、官公署に提出する書類作成・事実証明に関する書類作成のプロフェッショナルとして取り組んでいく気概が必要と自らを戒めています。
申請時に税理士や公認会計士らの事前確認を要請しており、ない場合「支給まで時間を要する場合がある」東京都の休業協力金。資金繰りに苦しむ事業者が多いなか「手続きが大変」「不安」との声が上がっています。#新型コロナ #COVID19 #緊急事態宣言https://t.co/QAqfJY4itt
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) May 10, 2020
負のバトンをつなぐな
長引く外出自粛を少しでも明るく勇気づけようと、SNSでのリレー形式のチャレンジものが流行しています。プラスのエネルギーを拡散させるのは良いことですが、時としてマイナスのエネルギー・負のバトンをつないでしまうこともあります。
負のバトンの象徴である行き過ぎた「自粛警察」の罵詈雑言などは相手する必要ありませんが、自粛警察の活動が本当の警察、すなわち法令違反行為に対する警察行政へと負のバトンを渡す危険については十分に注意してもらいたいです。
騒音問題から風営法違反の行政処分に発展した事例は数多くありますし、地域社会でのごみ拾い活動などで信頼関係を築いていただけでトラブルを未然に回避できた事例などもあります。
特に風俗営業事業者は自分では地域と上手くやっているつもりでも、相手もそう思っているとは限りません。
今回の東京都の自粛要請をめぐる「自粛警察」の通報も、協力要請違反を通報されたって別に罰則がある訳ではありません。
でも、「自粛警察」の通報によって、副次的に別の法令違反が発覚すれば、そちらの方がダメージは大きくなります。
「自粛警察」の活動から本当の警察活動へと負のバトンをつなぐことが無いよう慎重に対応してください。
要らぬ誤解や余計なトラブルを回避するため、行政からの協力要請に従っているという姿勢を行政だけでなく、地域住民にもアピールしていくのも良いと思います。
ただでさえ色眼鏡で見られる業種なので、これからの厳しい事業環境下で生き残るために変えるべきところは変えていきましょう。
一部の人たちの刹那的な行動で業界全体がダメージを受ける、もうそんなことを繰り返さないよう業界全体で力を合わせて取り組んでいきましょう。
つなぐべきはポジティブ思考のプラスパワーのバトンです。
やたべ行政書士事務所は風俗営業に携わる皆さんをいつでも応援しています!
それでは、また!
やたべ行政書士事務所の地元・新宿大久保を代表するMC漢が薬物所持で逮捕されました。素晴らしい音楽文化もバトンを間違えると感染が拡がるのはウイルスと同じです。
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